a.いも類・雑穀等の機能性の解明と利用技術の開発

課題名 a.いも類・雑穀等の機能性の解明と利用技術の開発
課題番号 2009013925
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,九州研,機能性利用研究チーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,作物研,機能性利用研究チーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,北農研,機能性利用研究北海道サブチーム
協力分担関係 ヘリオス酒造(株)
沖縄ポッカ食品(株)
熊本大学大学院
研究期間 2006-2010
年度 2009
摘要 機能性の解明・評価においては、1)紫色の甘しょ品種のORAC値は、他の肉色(白、黄、橙)の甘しょ品種と比較して約10倍高く、DPPHラジカル消去活性と高い正の相関を示すことを明らかにした。2)甘しょを貯蔵するとカフェ酸誘導体の増加に伴い抗酸化能が上昇する。主要なカフェ酸誘導体は塊根皮層部に多く存在し貯蔵中に増加するが、カフェ酸スクロースは、貯蔵中に次第に増加し、皮層部のみならず塊根内部でも含量が高くなることを確認した。3)長いもは、高脂肪食摂取ラットで誘発される糖代謝異常(血糖総和面積、ヘモグロビンA1c、血中レプチン濃度を指標)に対して改善作用があることを確認した。4)黒大豆、紫黒米に適用できるアントシアニンのHPLC分析法を確立するとともに、本法による分析値と最も近い値を示す分光分析法はAOAC法であることを確認した。5)パイナップル搾汁残さから試作した乾燥パウダーについて、20年度には試験管内レベルでビフィズス菌増殖促進作用を認めたが、実験動物レベルでの整腸作用は認められなかった。6)高リン型馬鈴しょでん粉を用いて製造した卵ボーロのヒト介入試験を実施し、他のでん粉を使用した製品と比べ、血糖値を下げる傾向があることを確認した。 機能性成分の効率的な分離抽出技術の確立においては、1)黒大豆種皮に含まれるプロアントシアニジンの分離精製技術及び食品用途に適用できる効率的な抽出技術を開発し、2件共同特許出願した。また機能性に関するデータを蓄積するため、全国から収集した黒大豆のプロアントシアニン含量を統一分析法で測定した。 非破壊評価法の開発においては、1)大豆子実中のイソフラボン総量及び甘しょ葉粉末中のカフェ酸誘導体総量を推定可能な近赤外分光分析法を開発した。紫とうもろこしにおける各種部位のアントシアニン含量及びDPPHラジカル消去活性を推定可能な近赤外分光分析法を開発した。 機能性を強化した作物素材の開発においては、1)甘しょでは、「九系05303-3」のカフェ酸誘導体収量は茎葉利用品種「すいおう」を上回ること、草型に特徴のある茎葉利用品種「九育葉3号」の葉及び地上部全体におけるカフェ酸誘導体含量は「すいおう」を上回ることを明らかにした。2)甘しょのSRF1遺伝子がコードするDof型の転写因子が塊根内の遊離糖含量やでん粉含量の制御に関与することを明らかにし、糖組成を改変した高機能性甘しょ育成の道が拓かれた。3)紫とうもろこしでは、雌穂と桿にアントシアニンを含み抗酸化能を強化したとうもろこし自殖系統「AIM-3」を開発した。4)スプラウト用ダッタンそば品種として「北海T9号」及び「北海T10号」を育成するとともにスプラウト生産・加工利用企業、種苗会社と共同研究を開始し、ルチン・アントシアニンの多い試作品を製造した。生産力検定予備試験により、ルチン分解酵素活性の低い有望系統を選定した。5) さとうきびでは、KY02T-524が3ヶ年継続してGABA含量が安定して高いこと、生産力検定試験供試系統のポリフェノール含量はKY04-99が最も高いことを確認した。 機能性成分を活用した利用加工技術の開発においては、1)ステンレス製ローラーでさとうきびを搾汁し、ライミング処理(石灰混和)を行わない工程にすることで、色調が明るく、嗜好性に優れた黒糖を製造する技術を開発した。この黒糖は苦味、えぐみが少なく、ポリフェノール類やGABAの機能性成分の低下がないことから実需者に活用されている。また廃糖蜜の抗酸化活性を高める技術を開発し、特許出願した。2)生果規格外のスターフルーツを利用したGABA含有の乳酸発酵飲料製造技術を開発し、民間企業に技術移転した。
カテゴリ 加工 乾燥 機能性 機能性成分 さとうきび そば 大豆 とうもろこし パイナップル 評価法 品種

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