h.効率的・持続的な乳肉生産技術開発のための家畜の栄養素配分調節機構の解明

課題名 h.効率的・持続的な乳肉生産技術開発のための家畜の栄養素配分調節機構の解明
課題番号 2010014846
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,畜草研,栄養素代謝研究チーム
協力分担関係 千葉県畜産総合研究センター
富山県農林水産総合技術センター
神奈川県畜産技術センター
石川県畜産総合研究センター
茨城県畜産センター
愛知県農業総合試験場
(独)農業生物資源研究所
研究期間 2006-2010
年度 2010
摘要 消化管や乳房における栄養素の動態解明とそれに基づく家畜栄養素要求量の確定については、1)乳腺に血流量プローブを装着した泌乳牛を用いた全身および乳房でのエネルギー出納試験により、乳生産への代謝エネルギー利用効率は0.64、乳房における乳生産のエネルギー効率は0.88で、粗飼料給与割合による変化はほとんどないことを明らかにした。2)21年度までに実施した乾乳牛による実験データに基づき、粗飼料多給時の維持に要する代謝エネルギーは代謝体重当たり121.6kcalで、咀嚼エネルギーを加味すると-1.6~+2.7kcalの変動があることを明らかにし、1)の結果とあわせて、粗飼料多給での乳牛の代謝エネルギー要求量を「0.1222±0.0022×代謝体重+牛乳のエネルギー価÷0.64 (Mcal/day)」と確定した。栄養素の配分を制御するホルモンの分泌調節機構については、1)育成牛に対するトリプトファンの末梢血中投与は、夜間においては血中メラトニン濃度を上昇させるが、昼間の投与ではメラトニン濃度に影響しないことを明らかにした。栄養素の配分における細胞内取り込み機構については、1)乳腺上皮細胞の培養ゲル中に放出された乳成分の濃度を、高感度で精度良く測定する手法を確立した。2)21年度に引き続き乳腺胞形成の誘導に伴う栄養素輸送担体発現の変動を調べ、計11のアミノ酸および脂肪酸輸送担体について乳腺胞の分化・形成に伴う発現変動を明らかにした。3)乳腺胞形成の誘導に伴う4種の性ホルモン受容体の発現変動を明らかにし、乳腺胞の形成、維持、乳合成の各段階でホルモンの影響が異なることを示す結果を得た。栄養素配分調節機構に影響する神経-内分泌-免疫系の相互調節作用のうち、1)内分泌-免疫系の調節については、免疫調節物質であるラクトフェリンを乳牛に4週間経口投与することで、ルーメン液中エンドトキシン濃度は変化しないが分娩後の血中TNF-α濃度上昇が抑制されることを明らかにし、ラクトフェリンがエンドトキシン産生量の変化を介さずにTNF-α分泌を抑制することを明らかにした。2)神経-内分泌の調節については、トリプトファンの投与により隔離ストレス負荷による血中コルチゾール濃度の上昇が抑制されることを明らかにし、ノルアドレナリンと副腎皮質ホルモン放出ホルモンの脳室内投与による比較から、この抑制が中枢性の作用である可能性が高いことを示した。
カテゴリ 乳牛 輸送

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