課題名 | f.次世代型マルドリ方式を基軸とするかんきつ等の省力・高品質安定生産技術の確立 |
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課題番号 | 2010014855 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,近農研,次世代カンキツ生産技術研究チーム |
協力分担関係 |
山口県農林総合技術センター 愛媛県農林水産研究所 広島県立総合技術研究所農業技術センター 香川県農業試験場 (有)エルガ 和歌山県農林水産総合技術センター農業試験場 愛媛県農林水産研究所 |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2010 |
摘要 | 1)樹体情報等に基づいて養水分を精密自動管理するシステムの開発では、「水分ストレス表示シート」(19年度成果情報)について、粘着力や表示形式を改良して企業に市販化するための許諾を行った。このシートにより樹体の水分ストレス状態を評価し、自動灌水制御システムを用いた少量多頻度点滴かん水を行う次世代型マルドリ方式が確立され、ウンシュウミカンの高品質果実生産を可能にした。2)次世代型マルドリ方式導入のための雨水の用排水対策技術については、既製品のU字溝と金属プレートを用いて既存の方法よりも簡易に設置できる取水施設を考案し、ウンシュウミカンにおける少量多頻度点滴かん水の必要量と必要水圧等に基づく貯水方法と太陽光パネルからなる揚水システムを開発した。3)点滴かん水施肥施設を利用した省力的新防除法については、21年度までに作製したアルミ蒸着ポリエチレンを素材とする青色のマルチと白色マルチとの敷設が、ともに裸地よりもアゲハチョウの幼虫による苗木の食害を軽減し、吸収移行型の殺虫剤の1回散布との併用により実用的に薬剤散布回数を減らせることを明らかにした。4)樹体の生育促進による早期成園化技術については、21年度までに開発した少量多頻度点滴かん水施肥技術を用いて節水型の管理を行うことにより、生育が促進することを、中晩生カンキツを用いて現地実証した。5)傾斜地果樹園において規模拡大を可能にする園地改造技術については、作業道造成のための左右反転機構を付加した小型管理機用排土アタッチメントを開発した。傾斜18度の圃場において、この機械を用いた幅90cmの運搬路造成作業は、管理機掘削と鍬による整地作業と比べて造成時間を20%以上削減できた。また、小型運搬機械の開発については、単軌条運搬機の自動誘導の操作部を電動駆動化し、自動運転、自動誘導制御方法を確立した。6)技術の総合化による省力・高品質安定生産技術の確立については、普及現地において品質向上の成果が認められ、栽培施設を大規模化して団地型マルドリ方式とすることで設備にかかる経費が23%節約できるだけでなく、産地としての組織的運営を通して産地の構造改革に貢献できることを明らかにした。 |
カテゴリ | 温州みかん 規模拡大 傾斜地 自動管理 市販化 施肥 早期成園化 大規模化 防除 薬剤 その他のかんきつ |