d.誘導抵抗性等を活用した生物的病害抑制技術の開発

課題名 d.誘導抵抗性等を活用した生物的病害抑制技術の開発
課題番号 2010014861
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,生物的病害制御研究チーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,近農研,生物的病害制御研究チーム
協力分担関係 北海道立花・野菜技術センター
新潟県農業総合研究所
山口県農林総合技術センター
ベルグアース(株)
京都府農林水産技術センター
長野県野菜花き試験場
宇都宮大学
岩手大学
(株)微生物科学研究所
茨城県農業総合研究センター
研究期間 2006-2010
年度 2010
摘要 1)ゲノム情報を用いて作出した弱毒ウイルスによるウイルス病防除では、トウガラシマイルドモットルウイルス(PMMoV)弱毒株(L3-163株)は、5品種のピーマン・トウガラシ類で葉の退緑斑紋等が若干観察されるがPMMoVに対して高い防除効果を示し、これらを用いた防除技術の実用性を明らかにした。その他、PMMoV弱毒株接種の伏見甘長トウガラシはかすり状えそ症が減少し、現場レベルでの有効性が示唆された。またトスポウイルスのメロン黄化えそウイルスおよびトマト黄化えそウイルスで低温処理等により新弱毒株の作出に成功した。2)バクテリオファージの利用では、イネの開花時処理によって内頴褐変病の発生率を大きく低下させることをほ場で実証し、防除技術としての有効性を示した。3)微生物拮抗機能の活用による土壌病害防除技術開発では、ベニバナインゲンの複数の立枯性病害防除のために、トリコデルマ属菌4種を含む育苗培土育成苗を現地圃場へ定植した結果、防除価50~90の高い効果を示し、本培土が土壌改良資材として有効であることを明らかにした。4)バイオフューミゲーションによる土壌病害防除技術開発では、灰色低地土でカラシナやエンバクを鋤き込んだ際、密閉して30℃に保つと、土壌水分が圃場容水量を下回る場合でもホウレンソウ萎凋病を顕著に抑制できた。本防除技術の効果は土壌水分と温度が共に高い場合に優れ、水分30%、30℃で17日間の処理では無接種と同程度になり、その有効性を示すことができた。5)微生物等による抵抗性誘導機能を活用した防除技術開発では、トマトかいよう病の茎葉部での発病に対して、キチン(LMC)やキトサンは登録農薬であるカスガマイシン銅水和剤とほぼ同等の発病抑制効果を示し、微生物資材にLMCを少量添加すると発病抑制効果が向上した。また、LMCはトマトにおいてキュウリモザイクウイルスの感染抑制効果も有していた。以上のことから、トマトの実用的な防除資材として有望であることが判明した。6)生理活性物質等を利用した誘導抵抗性の植物細菌病に対する発現機構解明とその活用技術開発では、酵母抽出液(YE)の青枯病の発病抑制活性成分は分子量3000以下の画分にあり、YE処理根部の皮層組織での青枯病菌の移行抑制には細胞壁の肥厚や高電子密度化が関与していた。また、高接ぎ木栽培と組み合わせることにより、YEの株元灌注により青枯病の発病を実用的レベルまで抑制できることを実証した。7)植物性天然抗菌物質を利用した茎葉病害の防除技術開発では、甘草抽出液が新たにトマト疫病とトマト葉かび病にも有効であり、前者に対しては100倍希釈液で防除価72、後者に対しては300倍で防除価26であることを、ポット試験で明らかにした。
カテゴリ 病害虫 青枯れ病 育苗 からしな きゅうり 栽培技術 高接ぎ 抵抗性 とうがらし 土壌改良 トマト 農薬 ピーマン 品種 べにばないんげん 防除 ほうれんそう

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