k.野菜栽培における土壌微生物、天敵の機能解明と難防除病害虫抑制技術の開発

課題名 k.野菜栽培における土壌微生物、天敵の機能解明と難防除病害虫抑制技術の開発
課題番号 2010014868
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,野茶研,野菜IPM研究チーム
協力分担関係 茨城大学
名古屋大学
京都大学
大阪府環境農林水産総研
福島県農総セ
浜松医科大学
新潟県農総研園研セ
エスペックミック(株)
大和化成(株)
総合研究大学院大学
研究期間 2006-2010
年度 2010
摘要 生物機能等を利用した持続的な難防除病害虫の抑制に関しては、1)バンカープラント法を利用したギフアブラバチによる、施設ピーマン株上のジャガイモヒゲナガアブラムシ防除技術を開発した。2)天敵コハリダニの現地トマトほ場での放飼はトマトサビダニ密度を低下させたが、放飼個体数が防除には十分でなく、飼育法のさらなる改善が必要であった。3)アブラナ科根こぶ病菌休眠胞子の根毛感染は土壌環境の影響を強く受け、特に土壌pHや交換性カルシウム濃度が高いと一時的に抑制されるが、その活性や発芽に対する影響は小さいことを確認し、石灰資材はおとり植物の輪作と併用できることを示した。土壌診断による発病程度予測とおとり作物や施用資材を適切に選択することで、根こぶ病の体系的防除が可能である。物理的手法と生物機能・捕食性天敵を利用した防除技術に関しては、1)有機質肥料を活用した養液栽培においてトマト青枯病などの根部病害の発生を抑制できることを明示した。2)22年度のキャベツ現地ほ場調査でも、環境保全型管理ほ場でウヅキコモリグモなどのコモリグモ類やオオアトボシアオゴミムシなどのゴミムシ類が特徴的に認められ、農業に有用な生物多様性指標生物としてこれら生物種の選抜が妥当であると判断した。病原ウイルスと媒介虫の親和性を利用した媒介抑制の基盤技術に関しては、1)トマト黄化葉巻病の病原ウイルス(TYLCV)外被タンパク質(CP)と相互作用するタバココナジラミ側因子を酵母two-hybrid法により探索したところ、相互作用する可能性がある候補を得た。2)コナジラミに抗ウイルス抗体を摂取させることにより、ウイルス媒介率の低下が観察されたが、媒介を完全には阻止しなかった。また、CPや合成ペプチドを用いた競合系の摂取では、ウイルス媒介抑制効果は得られないと結論した。レタス根腐病やコナジラミ類媒介ベゴモウイルスの迅速な検出技術の開発に関しては、1)21年度までに確立したDNAマーカーによるレタス根腐病菌の簡易レース判別法について、新規発生県の菌株やレース混在圃場のサンプルに対して適用可能であることを確認し、マニュアル化に向けたデータの拡充を行った。2)精製したTYLCV抗血清をELISA法(酵素免疫吸着測定法)およびRIPA法(酵素免疫吸着測定法)に適用し、両法ともトマト黄化葉巻病発症前の感染トマトの検定に使用可能であり、特にELISA法は多試料検定と媒介虫の保毒検定に、RIPA法は現場圃場においての迅速な検定に適することを確認した。
カテゴリ 肥料 土づくり あぶらな 害虫 キャベツ タバココナジラミ DNAマーカー 土壌環境 土壌診断 トマト ばれいしょ ピーマン 病害虫防除 防除 野菜栽培 養液栽培 輪作

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