(3)イネの耐病性機構の解明と利用技術の開発

課題名 (3)イネの耐病性機構の解明と利用技術の開発
課題番号 2010014978
研究機関名 農業生物資源研究所
研究分担 (独)農業生物資源研究所,植物科学研究領域,耐病性研究ユニット
(独)農業生物資源研究所,植物科学研究領域,耐病性研究ユニット
(独)農業生物資源研究所,植物科学研究領域,耐病性研究ユニット
(独)農業生物資源研究所,植物科学研究領域,耐病性研究ユニット
(独)農業生物資源研究所,植物科学研究領域,耐病性研究ユニット
(独)農業生物資源研究所,植物科学研究領域,耐病性研究ユニット
(独)農業生物資源研究所,植物科学研究領域,耐病性研究ユニット
(独)農業生物資源研究所,植物科学研究領域,耐病性研究ユニット
協力分担関係 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
学校法人近畿大学
独立行政法人国際農林水産業研究センター
国立大学法人京都大学
独立行政法人森林総合研究所
国立大学法人筑波大学
国立大学法人東北大学
公立大学法人首都大学東京
北興化学工業株式会社
石川県
研究期間 2006-2010
年度 2010
摘要 1.いもち病及び白葉枯病に対して極めて強い複合抵抗性を発揮する転写因子WRKY45の過剰発現イネに伴う生育遅延を回避するため、強度の異なる様々なプロモーターでのWRKY45の発現を検討した結果、複合抵抗性を示し、かつ野外環境に温度及び湿度が追随する温室において、草丈、分げつ数、コメの収量において原品種(日本晴)に匹敵する系統を得た。飼料イネにこのプロモーターで調節されるWRKY45遺伝子を導入し、固定系統の確立へと進めた。また、感染誘導性プロモーターを用いたWRKY45発現系統(日本晴)についても複合抵抗性が確認された。2.WRKY45はプロテアソーム分解制御を受けていることを昨年度までに示している。プロテアソーム分解の役割の一つが非感染時の抵抗性反応の抑制にあることを示す結果が得られているが、それだけでなく、標的遺伝子のプロモーター上でのWRKY45のプロテアソーム分解により転写が促進されることも示唆された。また、WRKY45のプロテアソーム分解は低温下(5-22℃)でより促進され、WRKY45過剰発現イネの生育遅延も低温で強くなることがわかった。これらのことは、低温におけるプロテアソーム分解促進によるWRKY45の転写活性化能の上昇と生育遅延との関連を示唆している。また、WRKY45過剰発現イネ及び抵抗性誘導剤ベンゾチアジアゾール(BTH)処理後のイネにおいては、いもち病菌感染後、ジテルペン型ファイトアレキシン合成遺伝子が対照イネに較べて速やかに発現誘導されることを見出した。3.安定な抵抗性を示す穂いもちほ場抵抗性遺伝子Pb1がコードするタンパク質は、真性抵抗性のRタンパク質とドメイン構造が類似していることを既に明らかにしている。タンパク質構造の詳細な検討により、Rタンパク質の活性に必須の配列(Pループ等)がPb1には存在しないことがわかった。また、Pb1によるいもち病抵抗性がWRKY45に依存していることが、WRKY45発現抑制実験から示された。これらはPb1のいもち病の重要な特性の一つである安定性と関連している可能性が考えられる。4.強いいもち病ほ場抵抗性を有する陸稲「嘉平」において、そのいもち病抵抗性に最も寄与率の大きい遺伝子座Pikaheiが二つのR様遺伝子からなることがわかった。5.活性酸素で制御されている病害応答シグナル伝達機構の解明のため、フェニルプロパノイド型ファイトアレキシン合成遺伝子の発現制御を解析した結果、MAPキナーゼ・カスケードの下流にGATA型及びMyb型の転写因子からなる転写制御カスケードが関わっていることを見出した。また、このシグナル伝達経路を抑制する制御因子Ospti1により、WRKY45などのBTH応答性遺伝子の発現が抑制的に制御されていることを明らかにした。
カテゴリ いもち病 抵抗性 抵抗性遺伝子 品種

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