セルロース系バイオマス資源作物の作出と低コスト生産技術の開発

課題名 セルロース系バイオマス資源作物の作出と低コスト生産技術の開発
課題番号 2011017596
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,九州研,畜産草地
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,畜草研,飼料作物
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,北農研,酪農
協力分担関係 JIRCAS
JX日鉱日石
東海大学
研究期間 2011-2015
年度 2011
摘要 バイオ燃料変換技術に対応したセルロース系バイオマス資源作物の選抜や改良に関して、エリアンサス及びススキ類の改良では、a)西南暖地では結実しない機械収穫適性に優れた超多収性のエリアンサス晩生系統「JES3」を新品種候補として登録申請した。また、国内で新たなエリアンサス遺伝資源を収集するとともに、倍数性確認技術を構築し、新たな草地造成技術を提案した。b)秋田及び熊本在来の二倍体系統の中に栽培1年目の収量性に優れたススキを見出した。また、オギ・ススキ混在地で三倍体を確認するとともに、人工交配により三倍体個体を獲得し、三倍体個体を花粉親にした胚培養で異数体を作出した。新たなバイオマス生産向け植物・作物資源の開発では、a)暖地・温暖地向けソルガム新品種候補「九州交6号」(リグニン合成系抑制)と「東山交27号」の特性を調査するとともに、ICRISAT(国際半乾燥地熱帯作物研究所)ソルガム種子親とのF1や海外導入自殖系統の中に有望系統を見出した。また、野生サトウキビ、スイッチグラス、ジョンソングラスも有望性を確認した。b)寒地・寒冷地向けにオーチャードグラスの極晩生バイオマス候補「北育100号」と「北育101号」を開発すると共に、スイッチグラスの糖成分に関して品種間差を明らかにした。北海道自生の野草クマイザサは再生力が劣り持続的利用は困難と判断した。一方、道内各地で形態が異なるオギ自生集団を確認した。チモシー由来のフラクタン遺伝子を導入したテンサイ形質転換体には重合度の高いレバン型フルクタンが多く蓄積することを明らかにした。さらに、生産量を飛躍に増加させる革新的育種技術に関して、a)エリアンサスでは、各系統の種子由来カルス誘導において「JW630」の誘導効率が高いことや、種子由来と外植片でのカルス誘導における植物ホルモンの最適条件を明らかにした。b)ミスカンサスでは、成長点単離によりカルス培養に最適な「177086」系統を選抜した。c) サトウキビでは、パーティクルガン法、ハイグロマイシン選抜等、組換え技術を構築した。 エリアンサス及びススキ類の持続的な低コスト栽培技術の開発に関しては、a)少肥栽培条件においてもエリアンサスの5年目収量は35t/haと高いことを確認し、間作に適した冬作飼料作物の選定に向け、エリアンサス収穫後にエンバクとライムギの不耕起栽培を開始した。b)草地へのススキ類の移植は、ロータリー耕うん区で初期生育が有意に高まることを確認した。c)九州、福島、秋田の放棄水田・畑、放牧地などでエリアンサスやススキ類の生産実証を開始した。 このほか、緊急的に重点化した放射能汚染対応研究において、原発事故によって放射性セシウムが降下した畜草研(栃木県那須塩原市)の圃場で牧草類(エリアンサス5系統、ススキ類(4系統)、ベチベリア、ソルガム、トウモロコシ各数系統、対照としてヒマワリ1品種)を栽培し、各作目のセシウムの移行率を明らかにし、牧草類の移行率はヒマワリよりも低いことを明らかにした。
カテゴリ 育種 遺伝資源 乾燥 寒地 栽培技術 栽培条件 さとうきび 飼料作物 新品種 水田 ソルガム 多収性 低コスト てんさい とうもろこし ひまわり 品種 不耕起栽培

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