課題名 | (1) 植物病原微生物の感染機構の解明と利用技術の開発 |
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課題番号 | 2011017636 |
研究機関名 |
農業生物資源研究所 |
研究分担 |
(独)農業生物資源研究所,植物科学研究領域,植物・微生物間相互作用研究ユニット (独)農業生物資源研究所,植物科学研究領域,植物・微生物間相互作用研究ユニット (独)農業生物資源研究所,植物科学研究領域,植物・微生物間相互作用研究ユニット (独)農業生物資源研究所,植物科学研究領域,植物・微生物間相互作用研究ユニット (独)農業生物資源研究所,植物科学研究領域,植物・微生物間相互作用研究ユニット (独)農業生物資源研究所,植物科学研究領域,植物・微生物間相互作用研究ユニット (独)農業生物資源研究所,植物科学研究領域,植物・微生物間相互作用研究ユニット (独)農業生物資源研究所,植物科学研究領域,植物・微生物間相互作用研究ユニット (独)農業生物資源研究所,植物科学研究領域,植物・微生物間相互作用研究ユニット |
協力分担関係 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 学校法人近畿大学 (独)国際農林水産業研究センター 国立大学法人京都大学 国立大学法人筑波大学 国立大学法人東北大学 首都大学東京 北興化学工業(株) 国立大学法人名古屋大学 独立行政法人理化学研究所 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2011 |
摘要 | 1. いもち病菌は付着器を形成して植物に侵入する。付着器形成は感染の鍵となっており、菌が植物表面を認識すると誘導される。付着器形成誘導の分子機構を理解するために、植物表面に接触した際にいもち病菌がヘテロ3量体Gタンパク質を介して発現を変化させる遺伝子を探索し、2次代謝関連遺伝子クラスターを同定した。また、イネいもち病菌の付着器形成には胞子発芽面の分子レベルの認識が関与していることを明らかにした。これらの知見は、植物病原糸状菌の付着器形成を阻止することにより感染あるいは付着を阻害する方法の開発につながると考えられる。2. 植物病原細菌からタイプIII分泌装置を介して植物細胞に注入されるエフェクタータンパク質は感染の可否や病気の激しさを決することが知られている。タイプIIIエフェクターのひとつである白葉枯病菌XopRの機能を理解するために、XopRを植物で発現させたところ、病原体由来の分子により誘導される植物の抵抗性反応の不全と、それに伴うタイプIII分泌系欠損株の増殖昂進が観察された。このことから、XopRの機能を抑制できれば白葉枯病菌による病徴の軽減が可能と考えられる。3. 難防除病害として知られるタバコ立枯病に対する抵抗性を誘導する化学物質を、立枯病に対して抵抗性が誘起されたタバコから精製し、2種のジテルペンとして同定した。これらの物質はトマト等他植物の青枯病(タバコの立枯病に相当)に対しても病徴抑制作用を示した。これらの物質は抗菌活性をもたないことから、この抑制効果は宿主植物で誘起された防御反応によることが示唆された。4. トマトモザイクウイルス(ToMV)の複製を人為的にコントロールするための基盤を築くため、当該ウイルスの増殖に関わる宿主因子を検索し、ARL8を同定した。ARL8を破壊した植物では、ToMVの増殖が抑制された。ARL8は、既に同定済みの必須宿主因子TOM1とともにToMVの複製タンパク質と相互作用して、これを活性化する働きを有していた。これらのことから、ARL8はToMVの複製に必須の宿主因子であり、この発現を抑制することにより、植物にToMVに対する抵抗性を付与できることが示された。5. ウイルスに対する主要な抵抗性反応であるRNAサイレンシングの誘導機構には未知の部分が多い。本年度は、独自に開発した試験管内RNAサイレンシング誘導系を用いて解析を進め、RNAサイレンシングにおいて標的RNAの認識にかかわるRNA-induced silencing complex (RISC) の形成に、分子シャペロンHSP90とそのコシャペロンであるCYP40が必要であること;逆に、PP5というHSP90結合タンパク質はRISC形成を阻害することを明らかにした。これらのタンパク質の発現を変化させて、RNAサイレンシングを効率よく起こさせることにより、ウイルス病を軽減することが可能と考えられる。 |
カテゴリ | 青枯れ病 いもち病 立枯病 たばこ 抵抗性 トマト 防除 |