課題名 | (1) 遺伝子組換え作物の開発技術の高度化とその利用 |
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課題番号 | 2011017642 |
研究機関名 |
農業生物資源研究所 |
研究分担 |
(独)農業生物資源研究所,遺伝子組換え研究センター,機能性作物研究開発ユニット (独)農業生物資源研究所,遺伝子組換え研究センター,機能性作物研究開発ユニット (独)農業生物資源研究所,遺伝子組換え研究センター,機能性作物研究開発ユニット (独)農業生物資源研究所,遺伝子組換え研究センター,機能性作物研究開発ユニット (独)農業生物資源研究所,遺伝子組換え研究センター,機能性作物研究開発ユニット (独)農業生物資源研究所,遺伝子組換え研究センター,機能性作物研究開発ユニット |
協力分担関係 |
(株)プリベンテック 国立大学法人島根大学 国立大学法人名古屋大学 国立大学法人京都大学 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 国立大学法人岐阜大学 (財)生産開発科学研究所 東京都臨床医学総合研究所 日本製紙(株) (株)サタケ |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2011 |
摘要 | 1. イネ種子を用いた有用物質の高度生産システムやアジュバント米の開発を目指して、IL(インターロイキン)-10、IL-12、IL-6 、TGF(トランスフォーミング成長因子)-β などの生理活性物質を種子胚乳での蓄積を高めた手法の開発を進めた。TGF-βの発現に関しては、融合や二量体化する方法で高度蓄積が可能になった。イネ種子中の IL-10 については、RSIS (RNAサイレンシング誘導配列)技術の活用により、集積量の向上に成功するとともに、蓄積米の経口投与により、種々疾患モデルマウスでIL-10発現米の有効性を明らかにした。2. アグリ・ヘルス実用化研究促進プロジェクトでは、隔離ほ場におけるスギ花粉症治療イネの第一種使用・生物多様性への影響を調査するとともに、スギ花粉症治療米については、外部機関と連携して、栽培・管理・加工システムの開発や、医薬品開発へ向けた前臨床試験として、モデル動物での有効性・安全性、種子の生化学的特性などを調査した。同時に、生物研では、次世代シーケンサーを用いてスギ花粉症治療米OSCR11および宿主品種であるa123(コシヒカリ低グルテリン変異系統)の全ゲノム解読を進め、ベクター断片のゲノム上への目的部位以外への挿入がないことを明らかにした。3. アレルギー性疾患(喘息、皮膚炎、食物)及び自己免疫疾患(腸炎、関節リウマチ)治療薬となるコメの開発をめざし、主要なダニ抗原(Der p 1, Der f 2)、オボアルブミンやそのペプチド、CII(II型コラーゲン)やGPI(グルコース-6-リン酸イソメラーゼ)アナログペプチドをイネ種子に蓄積させた各種組換えイネの開発を進めた。4. 従来開発を進めてきた血圧調整機能を有するノボキニンと機能の異なる新規の血圧調整ペプチド(アンジオテンシン阻害ペプチド、動脈弛緩ペプチド)をターゲットに、直接連結型とグルテリンの可変領域に挿入するグルテリン融合型で種子特異的に発現し、目的機能性ペプチドの高蓄積組換えイネ系統の選抜を進めた。5. 主要な3種のコメアレルゲン(14-16kD、26kD、33kD)を低減化させた組換えイネを開発し、15人のコメアレルギー患者のIgE(免疫グロブリンE)との結合性を調査した結果、普通のコメに比較して平均10%程度に低下していることを明らかにした。これら組換えイネにおいては、種子特異的に低減化させていることから、種々の農業形質への影響は見られないことを明らかにした。6. フラボノイドは、抗酸化、抗菌・抗ウイルス、抗腫瘍、コレステロール低下、降圧、血糖下降など多彩な作用が報告されている。フラボノイド類を米可食部に蓄積させるため、胚乳特異的プロモーターにより、いくつかのフラボノイド合成経路の合成酵素遺伝子を発現させた。その結果、フラバノン、イソフラボン、フラボノール、フラボンをそれぞれ蓄積する米を作出することに成功した。7. RSIS配列によるサイレンシングにおいては、トランスジーン由来と内在性のターゲット遺伝子由来のsiRNA (small interfering RNA)が産生されていることが確認できた。また、トランスジーンのリードスルーが起きていることも明らかになった。これらの結果から、RSISが転写終結を阻害することにより産生されるpolyA鎖の付加されていない異常なRNAがトリガーになり、サイレンシングが起きることが示唆された。 |
カテゴリ | 馬 加工 機能性 栽培技術 品種 |