課題名 | 繁殖性及び生涯生産性等に対する効率的な家畜育種技術の開発 |
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課題番号 | 2012020358 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
佐藤正寛 |
協力分担関係 |
(独)家畜改良センター 家畜改良事業団 日本ホルスタイン登録協会 北海道酪農検定検査協会 北海道ホルスタイン農業協同組合 秋田県農林水産技術センター畜産試験場 福島県農業総合センター畜産研究所 帯広畜産大学 信州大学農学部 名古屋大学 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2012 |
摘要 | 家畜の生涯生産性を向上させる遺伝的能力の評価基準に関しては、a)乳量の標準泌乳曲線作成のため、遺伝的能力発現に影響を与える環境要因の分類について、地域及び産次をそれぞれ4区に分け、乳期の効果を考慮するための泌乳曲線は、5次及び6次のLegendre多項式とWilminkの式を組み合わせたモデルが適切であることを明らかにした。b)在群性、乳量及び乳中体細胞スコア(SCS)の遺伝率は、それぞれ0.03~0.11、0.12~0.39及び0.10~0.14と推定した。また、乳量が多いと在群性も高い傾向にあること、SCSが高いと在群性が低い傾向にあることを明らかにした。c)豚大ヨークシャー種を用いた産子数のデータ解析において、農家記録数による分類、地域×季節による分類のいずれにおいても、遺伝的パラメータの推定値に違いは見られず、また、産次間の推定遺伝率にも大きな違いはなかったため、本品種では全ての産次を同時に解析する反復モデルが有効であることを明らかにした。 鶏の経済形質の改良に有用な遺伝情報の探索と遺伝子改変技術の確立に関しては、a)コレシストキニンA受容体遺伝子(CCKAR)と発育形質との関連性について、宮崎県の地頭鶏及び九州ロードにおいて有用アリル(対立遺伝子)の増体効果を確認した。また、CCKAR遺伝子情報の生産現場での実証試験において、大型会津地鶏とロード種の有用アリルの保有率はともに約3割であり、この頻度を高めることにより、発育形質が改良できることを明らかにした。b)食味性について、アラキドン酸をブロイラーへ給与すると、鶏肉のアラキドン酸含量が増加し、食味性を改善できることを明らかにした。アラキドン酸代謝に関連するデルタ6デサチュラーゼ(D6D)遺伝子を食味性の候補遺伝子とし、鶏肉の脂肪酸組成との関連性を調査した。その結果、ブロイラー集団ではGG型のアラキドン酸とドコサヘキサエン酸がAA型より多く、比内地鶏ではAG型のアラキドン酸はAA型よりも有意に多いことがわかった。c)家きんにおける導入遺伝子の安定的な発現のために、遺伝子の前後に特殊な配列を挿入したベクターを開発した。また、ニワトリ始原生殖細胞の長期培養について、雄の始原生殖細胞を培養開始20日目に100倍以上に増殖させる培養条件を明らかにした。 ミツバチの蜂群の維持に重要な抗病性付与技術に関しては、a)ニホンミツバチ由来の腸内細菌からヨーロッパ腐蛆病菌の増殖抑制効果を示す菌株として、BHI培地から1菌株を、MRS培地から20菌株を単離した。WC培地から得られた菌株は、抗ヨーロッパ腐蛆菌活性が見られたが、有意な抑制効果は見られなかった。b)栄養改善効果の可能性がある既存の10種類の飼料添加物を調べた結果、蜂児域面積はどの群も始めの3週間増加し、その後減少した。しかし、対照区と比較して差が認められず、飼料添加物給与の顕著な効果は確認できなかった。 |
カテゴリ | 育種 飼育技術 鶏 繁殖性改善 評価基準 品種 豚 ミツバチ 良食味 |