気候変動が果樹生産に及ぼす影響の機構解明及び温暖化対応技術の開発

課題名 気候変動が果樹生産に及ぼす影響の機構解明及び温暖化対応技術の開発
課題番号 2012020416
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 森口卓哉
協力分担関係 福島県農業総合センター
茨城県園芸研究センター
山梨県果樹試験場
熊本県農業研究センター
岩手県農業研究センター
筑波大学
研究期間 2011-2015
年度 2012
摘要 温暖化影響を評価するマップや晩霜害、発育不良等への対応技術開発に関しては、a)長野県と青森県の昭和45年(1970年)以降のリンゴの果実品質データを解析したところ、近年の気温上昇で、開花期が前進するとともに、成熟期が高温となることで、リンゴ果実の酸、硬度及び蜜入りは減る傾向であることを明らかにした。b)全国の15都道府県で行った生食ブドウ「巨峰」、「ピオーネ」、「福岡15号」の施設栽培について、3品種の平均の果実着色(カラーチャート値及びアントシアニン含量)は収穫前20日間の平均気温と有意な相関が得られ、3品種平均及び品種ごとの着色と温度の関係式を構築できた。また、ブドウの酸含有率の地域差や将来変動を推定し、マップ化した。c)ニホンナシの発芽期以降の花芽の耐凍性の推移を予測するモデル(危険度評価モデル)を構築した。平成22年3月に九州の熊本県と大分県で発生した晩霜害について本モデルを適用し、その有効性を確認した。d)栃木県と茨城県において、過去に大きな晩霜害発生の見られた昭和47年(1972年)、昭和54年(1979年)、昭和62年(1987年)、及び平成13年(2001年)について危険度評価モデルを適用したところ、統計資料の被害発生日とモデルで推定した危険度の高い日が一致し、本モデルの有効性を再確認することができた。
温暖化による生理的障害の発生機構の解明に関しては、a)ニホンナシ「幸水」混合芽の耐凍性は、発芽不良の発生程度が高い地域(鹿児島県川内市、熊本県八代市)で低くなる傾向を認めた。混合芽の含水率は、いずれの場所おいても、12月中旬以降下がる傾向が見られ、1月下旬で最も低くなり、その後、萌芽期に至るまで増加することを確認した。b)ニホンナシ発芽不良発生常習地において秋季の施肥が樹体内水分及び窒素含量を高めることにより、耐凍性の獲得を阻害している可能性を見出した。
園地の炭素蓄積能力の数値評価に関しては、a)果樹園への堆肥の長期連用施用や草生管理等の有機物の供給により土壌炭素量が、清耕区<草生区<堆肥区の順で増加することを示した。しかし、気象条件によっては土壌炭素量が増加せずにむしろ減少する場合があることを3県における圃場での実測で初めて明らかにした。b)土壌炭素動態モデル(RothC)でモモ園における土壌炭素を推定するには農地用のパラメータの利用が有効であり、パラメータを室内実験等によって補間する必要がないことを明らかにした。
カテゴリ カラー 施設栽培 施肥 発芽不良 品種 ぶどう もも りんご

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる