課題名 | 家畜の生産効率と健全性の安定的両立を可能にする飼養管理技術の開発 |
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課題番号 | 2013023032 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
櫛引史郎 |
協力分担関係 |
広島大 北海道農研セ 千葉県農研セ 栃木県酪試 群馬県畜試 富山県畜研 全酪連 北里大学 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2013 |
摘要 | 精密な栄養管理に関しては、品種の異なるうるち米20点、品種、産地あるいは栽培方法の異なるもち米21点の玄米試料について成分分析 を行い、有機物及び非繊維性炭水化物はもち米よりうるち米で多く、粗脂肪及び中性デタージェント繊維はうるち米よりもち米で多いことを明らかにした。ナイロンバッグ法による牛第一胃内における乾物消失率にはうるち米ともち米の差は認められなかった。 機能性飼料添加物を利用することなどによる高い生産効率の確保に関しては、a) 乾乳牛を用いて実験的に代謝性疾患である潜在性ルーメ ンアシドーシスを発症させて、第一胃内のエンドトキシン活性上昇などの生理的負荷との関連性を確認した。また子牛を用いた試験では、乾草とスターター(濃厚飼料)併給に比べてスターターのみの給与では第一胃内エンドトキシン活性の上昇とともに、インスリン濃度及び肝機能酵素活性も増加し、代謝性疾患につながる変化を認めた。b) 子牛へのラクトフェリンの長期給与試験において、日増体量が向上し 、特に離乳前後の発育停滞に改善効果を認めた。血漿中インスリン濃度はラクトフェリン給与で低下したことから、インスリン感受性の上昇による効率的なグルコース利用の促進が高い増体につながったと推察した。 健全性を栄養生理面から改善可能な飼養管理技術の開発に関しては、a) ホルスタイン種育成去勢牛12頭に対して常温環境及び昇温環境下 でトリプトファンを静脈内投与し、脳脊髄液中のセロトニン濃度が顕著に増加すること、昇温環境下での直腸温度の上昇が緩和されること、成長ホルモン濃度への影響は生じないことを確認した。b) 暑熱ストレスについて、経産豚を用いてリンパ球の細胞表面抗原(CDマーカ ー)の発現バランスを春から秋に解析し、夏の暑熱期(発情日)に白血球中のCD4陽性細胞の割合が低下することを明らかにした。c) 隔離ストレスについて、ホルスタイン種育成去勢牛に群飼状態でルーメンバイパストリプトファンを給与した後に個別に隔離すると、メラトニン分泌がトリプトファン無給与よりも高くなること、血漿中コルチゾール濃度は上昇しないことを明らかにした。 |
カテゴリ | 育種 機能性 飼育技術 乳牛 繁殖性改善 品種 豚 |