課題名 | 寒冷地の畑・野菜作における省資源・環境保全型生産技術体系の開発 |
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課題番号 | 2013023061 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
門田育生 |
協力分担関係 |
農環研 東京農大 岩手農研 宮城農・園研 福島農総セ 青森農総研 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2013 |
摘要 | カバークロップや地域の有機質資材の利用、田畑輪換に関しては、a) リビングマルチ大豆栽培について、平成24年度にシストセンチュウ害と極度の乾燥で収量低下が認められた山形県河北町の農家圃場で実証試験を引き続き実施した。シストセンチュウ密度の低い圃場への変更、畦間灌漑等の対策を行い、シストセンチュウ害の発生なくリビングマルチ栽培によるダイズ収量の増加を認めた。重窒素同位体分析により、ムギ残さ由来窒素がダイズに吸収されることを確認した。b) 規格外ダイズを緑肥として用いるコムギ栽培体系について、岩手県北 上市の農家圃場(1作目)及び盛岡市内の2か所の試験圃場(3作目)で試験を実施し、夏に休閑する慣行栽培と同等以上の収量が得られ、 温暖化ガス排出が慣行栽培よりも少ないことを確認した。 定植前施肥、耐病性台木の利用等の耕種的技術の活用に関しては、a) 市販のリン酸資材の定植前ネギ苗施肥への適用性については、供試 した8種類から有効な2種類の資材を選出した。また、山形県河北町、福島県いわき市を対象として本栽培体系の経済性の試算を行い、10a 当たりで肥料代が2,400~8,400円、労働時間が1.5~3時間増加するが、増収によって収入が120,000~180,000円改善されるため、技術の導入メリットが十分にあることを確認した。b) メロンつる割病(フザリウム病)について、非病原性菌株、土壌pH矯正資材、植物病害抵抗 性誘導剤を適切に組み合わせて育苗時に処理すると、発病を抑制するとともに、健全個体の生育を促進する効果もあることを明らかにした。 省化学資材・環境保全と生産性を両立させる栽培体系の開発に関しては、a) 長ネギ栽培の定植前リン酸苗施用について、山形県河北町の 実証試験では、平成24年度に引き続き、化学肥料の施用量を窒素、リン酸、カリいずれも50%以上削減した条件で増収効果を確認した。また、8月どり~11月どりの4つの作型や、有効態リン酸濃度が110mg/100gと高い圃場においても効果を認めた。b) 平成24年度に普及成果情 報を提出したキュウリホモプシス根腐病の総合防除については、産地等の要請に応じ、潜在的な発病リスクの調査や現場での技術指導を通じて技術の普及に努めた。 |
カテゴリ | 肥料 土づくり 有機栽培 有機農業 育苗 乾燥 きゅうり 栽培技術 栽培体系 施肥 台木 大豆 ねぎ 根腐病 病害抵抗性 防除 メロン |