課題名 | 生物機能等を活用した病害防除技術の開発とその体系化 |
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課題番号 | 2012020385 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
津田新哉 中畝良二 伊藤伝 眞岡哲夫 |
協力分担関係 |
理化学研究所BRC 神戸大 岡山大 石川県農総セ 北海道大 道総研工業試験場 雪印種苗(株) 北見農業試験場 焼津水産化学工業(株) (株)微生物化学研究所 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2012 |
摘要 | 病原体汚染程度を判定するシステム開発に関しては、a)ジャガイモ塊茎褐色輪紋病媒介菌Spongospora subterraneaの定量に加え、ミニトマトを用いたトラップ法により病原ウイルスの定量を行い、汚染程度の域値推定を可能にした。b)国内で発生するコムギ縞萎縮病媒介菌Polymyxa graminisの感染を抑制する細菌株を選抜するとともに、それら媒介菌の国内で発生するP. graminisのDNA配列による系統分類を行い、宿主範囲が異なることを明らかにした。c)土壌中のメロンえそ斑点ウイルス量と媒介菌オルピディウムの遊走子量によって宿主植物への感染程度が異なることを定量的に示した。 病原体による被害リスク評価法の開発に関しては、a)殺菌剤を含ませた寒天培地を用いることで、トマト葉かび病菌の生育の違いを指標にした薬剤耐性検定法を開発した。その検定法で高い値が示された場合、植物体上での防除価が低くなることを実験室内で示した。b)平成23年度から葉かび病菌レース判定に必要なCf-2、4、9遺伝子をそれぞれ保持しているトマト市販品種を基に各抵抗性遺伝子のホモ化、系統の固定化を進めた。 農薬代替技術の開発に関しては、a)タバコマイルドグリーンモザイクウイルス強毒株の純化試料を亜硝酸処理することにより、弱毒ウイルスの候補となる系統を得た。また、アザミウマ媒介性トマト黄化えそウイルス(TSWV)の強毒株を接種継代することによっても弱毒候補株を得た。b)ミカンキイロアザミウマはTSWV弱毒候補株の感染植物を好んで定着することを見出した。c)ジャガイモシストセンチュウ密度の低減効果を高めるふ化促進資材の原料組成と粒度を明らかにし、土壌中の線虫密度を低下させる対抗植物の一種であるハリナスビの短期栽培(6月中旬播種-結実前刈り取り)の有効性を示した。d)DGGE法を基盤に、北海道に分布する4種ネグサレセンチュウの高感度検出・識別法を開発した。 生物媒介性病害対策に関しては、a)植物ホルモンのサリチル酸、ジャスモン酸がアザミウマの植物に対する誘引・忌避性等の活動、さらにその媒介性ウイルス病害の伝染に影響を与えることを明らかにした。b)トマト黄化葉巻ウイルス(TYLCV)-Mld系統のC4領域は、トマトのTYLCV抵抗性遺伝子Ty-2の働きを打破することを明らかにした。c)プロトプラスト導入法を利用して白紋羽病菌及びリンゴ腐らん病菌由来の新規マイコウイルスを選別し、病原菌に対する病原力低下効果の度合いを明らかにした。 臭化メチル代替技術の開発に関しては、a)トマト青枯病防除について、抵抗性トマト台木を用いた高接ぎ木に抵抗性誘導物質の候補であるキトサンオリゴ糖(COS-YS)を散布したが、COS-YSが1%濃度でも青枯病菌に対して抵抗性を示さなかった。しかし、疫病菌に対しては0.1%で生育を阻止することを明らかにした。b)有機質肥料活用型養液栽培において、微生物が増殖した培養液中ではトマト青枯病菌の菌密度が減少することを見出した。c)ナシ白紋羽病防除について、温水処理と土壌微生物との相乗作用評価法として、白紋羽病菌培養爪楊枝とプラントボックスを用いた室内試験系を確立した。d)平均防除価90以上を示すトウガラシマイルドモットルウイルス弱毒株(L3-163株)を生物農薬として登録した。e)国内8地域の4品目を対象に、臭化メチル剤使用時の慣行栽培に対し収量90%以上、防除価80以上となる産地適合型の新規栽培マニュアルを開発した。 |
カテゴリ | 病害虫 肥料 土づくり 青枯れ病 萎縮病 害虫 雑草 台木 高接ぎ 抵抗性 抵抗性遺伝子 とうがらし トマト なす 農薬 播種 ばれいしょ 評価法 品種 防除 ミニトマト 薬剤耐性 養液栽培 りんご |