(ア)沿岸域における資源の造成と合理的な利用技術の開発

課題名 (ア)沿岸域における資源の造成と合理的な利用技術の開発
課題番号 2014025679
研究機関名 水産総合研究センター
研究分担 堀井豊充
小河道生
栗田豊
太田健吾
山下洋
鈴木豪
山田秀秋
桑原久実
村上直人
竹内宏行
名波敦
清本節夫
關野正志
堀正和
鈴木重則
黒木洋明
片町太輔
山田達哉
石田実
玉置泰司
協力分担関係 香川大学
東京大学大気海洋研究所
京都大学
香川県水産試験場
香川県漁業振興基金
香川県栽培漁業協会
香川大学
大分県農林水産研究センター水産試験場
沖縄県水産海洋技術センター
研究期間 2011-2015
年度 2014
摘要 (ア)トラフグ、ヒラメ等の資源変動要因の解明と最適な漁業管理方策の開発のため、まず、瀬戸内海のトラフグでは160 万尾の放流により資源の減少を回避でき、加えて0、1 歳魚の漁獲圧削減により資源の回復が見込めると試算した。さらに、経営が成り立つ漁業管理として、各年齢の漁獲圧をまんべんなく削減することが望ましいことを明らかにした。相模湾のアワビでは、ふ化後1 年間で著しく減耗することを解明するとともに、幼生の移動・加入を反映する流動モデル、藻場の種組成や繁茂状態等を反映する空間モデル、及び個体群動態を反映する時系列モデルを改良した。これらの連携により、アワビの移動、定着、成長等の生活史を全て包括して表現する数値シミュレーションが可能となった。サンゴ礁域のナミハタでは、設定した禁漁期間(10 日間)にほとんどの産卵個体が産卵場へ来遊することを漁業関係者に周知し、産卵親魚の自主的な禁漁・保護への取り組みに繋げた。瀬戸内海のサワラでは、漁獲尾数とコホート解析により求めた資源尾数の将来予測式に基づき、実現可能な放流尾数(20 万尾)では資源回復に貢献できず、漁獲努力量の削減等と組み合わせた資源管理が必要であることを示した。ヒラメ及びアカアマダイの種苗生産過程では、ワムシ餌料のDHA 含量の制限により形態異常が軽減し、放流効果が期待できる健全な種苗の比率が増し、種苗生産の省力化に大きく貢献した。瀬戸内海のキジハタでは、貝殻を数ヶ月間海中に放置し、甲殻類等の餌が増殖した段階で放流すると稚魚の生残率が向上した。また、同じ場所に続けて放流すると2 年目以降の成長、生残が悪化することから、毎年放流場所を変えることにより生態系への影響も低減できることが明らかになった。ヒラメの環境収容力は、日本海が太平洋より小さいことを明らかにした。平成23 ~25 年度に実施したタチウオひき縄調査の結果に基づき、タチウオ資源状態とタチウオひき縄漁家経営をシミュレートするモデルを開発し、漁獲から販売・流通までを含めた漁業経営改善手法の最適化を、主に持続性と収益性の面から検討した。その成果を水産海洋学会研究発表大会サテライトシンポジウムにおいて提示するとともに、残された課題について検討した。漁業者や行政機関を対象とした魚種別の資源検討会議、漁業者協議会、漁業調整委員会等で、サワラ・トラフグ等の研究成果を情報提供し、資源管理施策の立案や合意形成に貢献した。本研究課題の成果は、沿岸域における資源の造成と合理的な利用技術の開発、並びに地域水産業界の収益の最大化等に繋がると期待される。
カテゴリ 経営管理 省力化

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