課題名 | 根粒機能を活用した大豆安定多収栽培法の開発 |
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課題番号 | 2014025501 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
新良力也 |
協力分担関係 |
庄内総合支庁産業経済部農業技術普及課 宮崎県総合農業試験場 和歌山県農業試験場 青森県庁 長崎県農林技術開発センター 千葉県農総セ 横芝光町 笹本新井土地改良区 富山県農林水産総合技術センター 砺波農林振興センター |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2014 |
摘要 | 地下水位制御システム等を利用したダイズ安定多収栽培法に関しては、 a) 千葉県横芝光町の地下水位制御システム(FOEAS)設置圃場の実証試験において、暗渠を開放して排水機能のみ利用した不耕起狭畦栽培で坪刈り収量327kg/10aが得られ、-30cmの地下水位制御処理との組み合わせでは339kg/10aとなった。慣行法のロータリー耕起中耕培土栽培と比較して、不耕起栽培では収穫ロスが低減することを明らかにした。 b) 堆肥施用により窒素肥沃度が向上し、ダイズの硝酸態窒素吸収量の増加と根粒活性の抑制が見られたが、-45cmに地下水位を制御した場合に根粒機能の低下が軽減される傾向を認めた。 c) 施肥改善として、モリブデン富化種子により低pH圃場(山形県鶴岡市、茨城県筑西市)や重粘土圃場(千葉県長南町)において、対照区収量269~312g/m2に対して6~8%増収する傾向を認めた。 d) 生育モデルと過去34年分の気象データを用いて、土壌水分ストレスの影響を含んだ通常収量と乾燥ストレスが生じない場合のポテンシャル収量の比率(通常収量/ポテンシャル収量比)を算出し、近年、乾燥ストレス発生リスクが高まっていることを明らかにした。 e) 黒根腐病の発病と収量品質の関係については、発病度(0~3の4段階で評価した発病指数の総和と全調査個体が発病指数3とした場合の総和の比率を百分率で示した)が30以上で減収することを青森県と富山県の現地圃場で確認し、富山県ではしわ粒の急増を認めた。また、根圏の一部に黒根腐病菌を接種すると、接種部位において局所的な窒素固定能の低下が認められ、根粒機能低下に黒根腐病菌が関与することを明らかにした。 f) 不耕起栽培により白絹病発生が少なくなることを明らかにした。黒根腐病は1週間程度の晩播では発病を抑制できないが、新たに適用登録された殺菌剤テブコナゾール水和剤は、顕著な防除効果を示すことを明らかにした。利用のためには生育の遅延や茎の軟化など薬害への対処を必要とした。 |
カテゴリ | FOEAS 乾燥 狭畦栽培 黒根腐病 しわ粒 水田 施肥 大豆 低コスト 不耕起栽培 防除 輪作 |