メタボローム解析やエンドファイト利用による作物の養分循環機能活用生産技術の開発

課題名 メタボローム解析やエンドファイト利用による作物の養分循環機能活用生産技術の開発
課題番号 2014025562
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 松永俊朗
協力分担関係 青森産技セりんご研
北海道大学
鹿児島大学
佐賀大
東京農工大
京都農技セ生資セ
福島県農業総合セ
朝日工業+DT153
研究期間 2011-2015
年度 2014
摘要 エンドファイトの共生による窒素固定の制限要因と活用条件の解明に関しては、
a) これまでに確立した接種方法を用いて、サツマイモ体内に窒素固定エンドファイトBradyrhizobium 属AT1株を土耕栽培条件下で100日以上の長期間にわたって感染・定着させることに成功した。
b) Bradyrhizobium 属AT1株の接種により、サツマイモではバイオマスの分配に変化がおこり、塊根/地上部比が非接種では0.4であったのに対し、接種では0.6と増加することを明らかにした。
c) 東京農工大が分離したエンドファイトBacillus pumilus TUAT1株の接種により、イネ(コシヒカリ)では三要素肥料施用条件において、収量が10%増加することを認めた。
d) 堆肥施用に伴う有機物蓄積過程の解析では、圃場に埋設した重窒素標識牛ふん堆肥添加土壌の窒素同位体比分析を行い、牛ふん堆肥の有機(タンパク質)態窒素の分解速度は黒ボク土<灰色低地土<黄色土であることを明らかにした。
e) 黒ボク土では難抽出性画分に分布する有機態窒素の割合が高いが、アミノ酸組成は難抽出性画分と易抽出性画分とで同様であることから、堆肥の有機態窒素が土壌の腐植物質と結合することにより難分解化する可能性を示した。
メタボローム解析を用いた栄養・ストレス診断及び品質評価技術の開発に関しては、
a) 官能評価によってニンジン14品種・系統の香気特性を明らかにするとともに、メタボローム解析により、香気特性と関連が強い指標成分としてサビネンや酢酸ボルニルなどを特定した。
b) 香気成分プロファイリングを行い、無農薬栽培のリンゴ(ふじ)の香気特性は未熟な果実のパターンであること、及びその原因はエチレン生成抑制による未成熟であることを明らかにした。
c) リンゴのCA(空気調整)貯蔵中の褐変果は、酢酸エステルなどの香気成分が少ない傾向にあることを見出した。さらに、モモの嗜好性予測に向けて、簡易捕集法による香気成分分析法を開発した。
d) 水溶性代謝成分のメタボローム解析により、カボチャの貯蔵中の肉質劣化評価の指標成分として、アラビノース等を用いることが可能であることを示した。また、ミズナをポット栽培し、圃場栽培と同様に、有機質肥料施用でアミノ酸、堆肥施用で有機酸が減少することを確認した。
e) 開発中のホウ酸架橋率を指標とするホウ素欠乏診断法は、農業現場で発生したハクサイ、スナップエンドウのホウ素欠乏診断に適用できることを示した。
f) 平成25年度までに開発した化学発光測定法により、作物種子根の化学発光量は過酸化水素量に対応し、二次代謝産物は根の過酸化水素を消費することを示すとともに、耐湿性の差異が明瞭なオオムギにおいて、種子根の化学発光量と耐湿性指標(Leaf injury score)との間に対応関係を認めた。
カテゴリ 土づくり 肥料 病害虫 かぼちゃ 栽培条件 耐湿性 にんじん 農薬 はくさい 評価法 品種 みずな メタボローム解析 もも りんご

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