飼料等の家畜飼養環境の安全性確保技術の開発

課題名 飼料等の家畜飼養環境の安全性確保技術の開発
課題番号 2014025582
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 山中典子
協力分担関係 国立感染症研究所
Manipal大学
農業生物資源研究所
研究期間 2011-2015
年度 2014
摘要  生産段階における食の安全を確保するための簡易かつ特異性の高い診断手法の開発に関しては、
a) カンピロバクター損傷菌については、比較ゲノム解析により、損傷菌では酸素負荷及び低栄養などの環境ストレスに対する抵抗性に関与する多数の遺伝子を保有していないことを明らかにした。
b) 腸管出血生大腸菌の遺伝子多様性の機序については、挿入配列(IS)を切り出す作用をもつiee遺伝子を含むSpLE1配列自体も可動性であり、IS転移酵素とSpLE1インテグラーゼの協同でSpLE1とISが水平伝播することを明らかにした。
c) 農場から分離した腸管出血性大腸菌O157を系統ゲノミクスにより解析し、牛の移動による疫学情報と菌株の性状が合致することを発見した。
d) Salmonella Typhimurium(ST)の薬剤耐性領域、GI-VII-6の多コピー化に加え、ISの挿入等による多様化が耐性増強に関与する可能性を明らかにした。さらに、最近分離例が増えている家畜由来のST変異株の性状を明らかにすることによって、効率的な同定法を開発した。
e) フザリウムかび毒の環境要因による蓄積状態の違いについては、黄熟期と完熟期の飼料イネの穂を用いた培養モデルにより、登熟にしたがってかび毒フモニシンの産生量が増加する要因が、宿主の栄養条件によるものであることを明らかにした。
g) 宿主の抵抗性物質とかび毒産生の関連性について、抵抗性物質アグマチンが、かび毒産生真菌の窒素代謝調節因子の代謝カスケードを刺激し、窒素の取り込み増加と代謝を活性化させDON産生増加につながることを明らかにした。
f) 細胞の多種類の機能性遺伝子の発現変動を利用した毒性評価については、多様な汚染物質を含むインドの下水処理施設由来サンプルを培養細胞に作用させることにより、残留性有機汚染物質により誘導される一連の遺伝子と医薬品により誘導される一連の遺伝子の変動を観察し、それぞれの物質群の包括的な汚染状態と生体影響を解析することを可能とした。
g) 家畜の肝臓由来不死化細胞を用いた毒性評価手法に関しては、豚の肝臓由来不死化細胞を得て、その性状が血管内皮様であることを明らかにした。
カテゴリ 機能性 診断技術 抵抗性 防除 薬剤耐性

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