課題名 | 信頼性確保のための原材料・生産履歴判別等の技術開発と標準化 |
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課題番号 | 2014025590 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
逸見光 |
協力分担関係 |
国立医薬品食品衛生研究所 農林水産消費安全技術センター 森林総合研究所 産総研計量標準総合センター 酒類総合研究所 長野県工業技術センター 穀物検定協会 東京大学 近畿大学 東京電機大学 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2014 |
摘要 | 米の品種識別法に関しては、米の主要30品種の品種特異的マーカーを用いて、品種特異的マーカー領域をリアルタイムPCRで増幅し、得られた増幅産物の融解曲線解析によって品種の真贋と混入の有無を短時間に検出できる分析系を構築した。 農産物・食品の産地等を高精度で判別する技術に関しては、 a) アカシアを蜜源とした日本産ハチミツ72サンプル、中国産ハチミツ49サンプルを用いて反射法により蛍光指紋を計測したデータを基に判別式の作成及び適用を行った結果、誤判別率10%で産地判別が可能であることを明らかにした。 b) 平成24、25年産の三陸産、鳴門産、中国産、韓国産の原藻ワカメ、湯通し塩蔵ワカメ、乾燥ワカメを用いて産地判別に対する水洗浄や塩蔵などの加工工程の影響を調べた結果、加工工程の影響を受けにくい微量元素(Ba、Cd、As)濃度と炭素・窒素同位体比を用いることにより原藻ワカメ、湯通し塩蔵ワカメ、乾燥ワカメに対して4産地間の産地判別を可能とした。 c) 安定同位体比分析の組成標準物質候補のメカジキ粉末及び茶葉粉末について、室温で保管した状態で同一試験室にて定期的にモニタリングし、安定性を確認した。 d) 分析値の信頼性確保に役立つ情報提供に関して、これまでに構築した試験室間共同試験のデータベースの収録情報を利用して、食品微生物数測定法(培養法、酵素法、ELISA法)の室間精度及び併行精度について、測定法ごとの傾向を明らかにした。 低レベル放射線照射履歴の検知技術の開発に関しては、 a) 7種類の香辛料(黒コショウ、白コショウ、クミン、コリアンダー、パセリ、バジル、オレガノ)のセルロース由来の5kGy照射誘導ラジカルの電子スピン共鳴(ESR)信号の安定性を確認した。 b) ESR信号安定性で確認した7種類の香辛料について、熱ルミネッセンス(TL)及び光ルミネッセンス(PSL)の測定でも安定であることが確認できたことから、この7種類の香辛料についてTL、PSL、ESRの複数手法による照射履歴検知に適した検知フローを作成した。 GM農産物における新規系統の検知技術の開発に関しては、 a) 新規害虫抵抗性GMダイズMON87701定量分析法の試験室間共同試験を行い、定量下限値が0.5%であることを明らかにした。また、GMイネ検出のためのイネ種共通内在性配列について、既報の5種の配列と新たに設計したSPS2のPCR効率、PCR安定性、特異性について比較を行った結果、SPS2と既報のPLD2が、イネ種共通内在性配列として優れていることを明らかにした。 b) 未知GM農産物の検知等への応用を想定した高速塩基配列解析技術に関する情報収集を行った結果、現在の受託分析市場においてIllumina社のHiseq装置が事実上のスタンダードになっていることを明らかにした。 c) 加工食品に対するGM検査の精度管理を行うため、DNAの断片化を指標として食品の加工度を評価する分析手法を確立した。 分析値の保証に資する標準物質等の開発に関しては、GMトウモロコシ及びダイズの認証標準物質(CRM)の頒布を継続し、平成26年度は合計12セットを頒布した。 一般消費者の食品安全情報理解に関しては、 a) 評定尺度を利用したリスク情報理解の測定として、文章、グラフ、及び開発した表示デザインのイラストによるそれぞれの残留農薬量の説明を見た実験参加者のうち、農薬量と対応した架空の食品の安全性評価ができた人数を正答数とした結果、表示デザインイラストがより正確なリスク情報の理解を促進できることを明らかにした。 b) 生鮮食品情報に対するクレーム数低減方法の社会的実験として、異なる方法で皮を除去したウンシュウミカンの購入場面を事例にして実験を行った。予め、抽象的な概念を具体化して考える課題を与えた場合、新しい剥皮技術を適用した商品への評価が高くなった。新規商品と消費者の心理的距離感を縮めるための情報の提示方法を明らかにした。 |
カテゴリ | 病害虫 温州みかん オレガノ 害虫 加工 乾燥 コリアンダー 茶 データベース 抵抗性 とうもろこし 農薬 バジル パセリ 品種 モニタリング |