新たな農業生産システムの構築に資するIT・ロボット技術等の基盤的技術の開発

課題名 新たな農業生産システムの構築に資するIT・ロボット技術等の基盤的技術の開発
課題番号 2014025629
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 宮原佳彦
協力分担関係 三菱農機(株)
鹿児島農総セ
埼玉農総セ
(株)荏原電産
(株)プリード
ヤンマーヘリ&アグリ(株)
滋賀農技セ
北海道大学
ヤンマー(株)
(株)トプコン
研究期間 2011-2015
年度 2014
摘要 トラクター直進作業支援システムでは、これまでに開発したトラクターのステアリングをローラで駆動する後付け型操舵装置、ボードカメラと小型制御装置を一体化した後付け型画像装置に改良を加えるとともに、直進走行の目標となるターゲットランプ、ほ場表面にV字形溝を形成する作業跡マーカを試作し、それらを用いて、自動直進と追従走行を行う制御方法を開発した。試作システムを搭載したトラクターでほ場試験を行った結果、±5cm以内の精度で直進往復作業ができ、曲率半径200m程度までのマーカ跡を追従する作業が可能であることを確認した。ロボットトラクター技術では、これまでに開発したロボット農用車両遠隔運用システムに改良を加えるとともに、同システムの下で無人作業を行うロボットトラクターを用いて、現地農家の実ほ場(水田)において、耕うん及び代かきの無人作業を行い、現場適応性を確認した結果、有人トラクターによる通常作業と同等の作業が実施可能であることを確認した。パッケージセンター向けイチゴパック詰めロボットに関しては、平成25年度に完了した。施設内静電防除ロボットでは、前年度試作したエアアシストを利用した静電防除機の走行速度の高速化と散布量削減のためのノズル変更等の改良を行い、これを供試した果菜類栽培ハウス内での防除試験を行った。その結果、試作機によるエアアシストと静電付加とを併用する散布作業により、慣行手散布よりも少ない散布量設定で作業を行っても防除効果を手散布と同程度に維持できることを確認し、散布回数の削減及び作業能率向上の可能性を見出した。
イチゴの高密植移動栽培装置及び定置型収穫ロボット等の基盤的技術に関しては、
a) イチゴの高効率栽培システムついては、形状、色、距離等の情報を取得する各種センサを複数用いて、循環式移動栽培装置の栽培ベッド上のイチゴ群落の3次元形状、果実の数・大きさ等を非破壊で自動計測するシステムを開発し、イチゴの生育情報を栽培ベッド単位で個別管理する可能性を見出した。また、これまでに開発した定置型イチゴ収穫ロボットに付加する方式の糖度自動計測システムの構築を目指して、イチゴ果実の赤道部や果頂部を対象に、様々な測定条件の下で、接触式糖 度計を用いた糖度測定試験を行い、将来的に非接触で測定する技術を確立するための検討を行った。
b) イチゴの移動栽培装置では、宮城県の現地農家の大型イチゴ栽培ハウス内に、開発した循環式移動栽培装置を導入し、灌水や防除(農薬散布)作業等を自動で行う実証試験を行い、収量及び作業能率等を調査した結果、慣行高設栽培に比べて、収量の増加や作業が自動化されることによる大幅な省力効果が可能であることを確認した。
このほか、
a) 無人ヘリ作物生育観測システムでは、これまでに開発した作物生育観測装置(無人ヘリに搭載して行う空中測定と測定者が携帯して行う地上測定の双方に利用できる併用型)の校正方法を改良した結果、装置間の差を縮小できることを確認した。また、コシヒカリの幼穂形成期に、無人ヘリシステムでの空中測定値と、携帯式装置での地上測定値との間に高い相関が得られ、その後、同ほ場に追肥(穂肥)を行い、最終的に倒伏、収量、品質等を調査した結果、本システムの測定値を、倒伏程度、収量・品質低下等の予測に利用できる可能性が示唆された。
b) 田植機の植付位置制御技術では、植付条に直交する方向にも株を揃えて移植する6条植えの正条植田植機を試作し、ほ場において植付試験を実施した結果、概ね目標どおりの精度で植付できることを確認した。さらに、試験後水稲が生育中の同ほ場において、6条用の乗用水田除草機を用いて機械除草試験を実施した結果、水田除草機は通常の植付方向のみでなく、直交方向にも円滑に走行(作業)が可能であった。また、今後走行部の自動直進制御を行うため、乗用田植機用電子制御式操舵装置を試作した。
c) ポイントクラウドを用いた農産物の品質評価手法では、距離と色の情報を同時に取得可能な3次元センサを用いて、リンゴ果実全面を撮影する装置を試作し、得られた情報からリンゴ果実のカラー3次元モデルを生成する手法を開発した。得られたモデルと果実の体積、赤道部付近の最大径及び外観特徴の比較を行った結果、体積はRMS誤差率2%、最大径はRMS誤差0.9mmと、過去の他の手法と遜色ない精度を実現でき、モデルの外観は、実物の果実の形状と色の分布の特徴を捉えていると判断した。
カテゴリ 病害虫 いちご カラー 自動計測 除草 除草機 水田 農薬 防除 りんご ロボット ロボットトラクタ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる