課題名 | 果樹におけるDNAマーカー育種のための高度基盤技術の開発 |
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課題番号 | 2015027816 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
協力分担関係 |
東京大 生物研 沖縄農業研究センター 種苗管理センター 岡山大 国立遺伝学研究所 京都大学 筑波大学 理化学研究所 かずさDNA研究所 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2015 |
摘要 | DNAマーカーを用いたニホンナシやカンキツの高精度遺伝子の地図の構築に関しては、_x000D_ a) 平成26年度に構築したニホンナシ「豊水」の連鎖地図に、ニホンナシ8品種のゲノム解読から新たに設計したSNPマーカーを追加し て連鎖解析を行い、これらを統合することで1,660種類のSNP、SSRマーカーで構成されるニホンナシの高密度標準連鎖地図を構築した 。_x000D_ b) カンキツ14品種のゲノム解読から設計したSNPマーカー等を使用し、カンキツの3集団において、それぞれ950、840、2,112種類のDNAマーカーで構成される高密度連鎖地図を構築した。_x000D_ 遺伝子発現情報やゲノム配列と関連づけた一層の高精度化に関しては、_x000D_ a) ニホンナシ「豊水」のRNA解析から49,866種類の代表配列(平均長1,160bp)を取得し、遺伝子機能の推定(34,555配列)とDNAマイクロアレイの配列との対応付け(39,389配列)を行うとともに、これらの情報を統合したデータベースを構築した。_x000D_ b) ウンシュウミカンのゲノム参照配列(20,881配列で構成された全長360.0Mbpの配列)を新規に構築し、36,587件の遺伝子を推定す るとともに、当該遺伝子の機能、連鎖地図上の位置、DNAマイクロアレイの配列との対応等の情報を統合したデータベースを構築した 。_x000D_ 結実性、果実形質、病害抵抗性などと関連するDNAマーカーとその利用技術の開発に関しては、_x000D_ a) 黒星病抵抗性を選抜するDNAマーカー(TsuENH184、TsuENH101、TsuENH157)を利用して5年間に幼苗選抜した1,547個体が全て黒星 病に強いことを明らかにし、開発したマーカーが育種選抜において有効であることを示した。_x000D_ b) 自家和合遺伝子(236kbp欠失したS-RNase遺伝子)と自家不和合遺伝子(10種のS-RNase遺伝子)を特異的に識別するPCR法を利用した自家和合性の幼苗選抜法を確立し、3,226個体から832個体を選抜した。_x000D_ c) 収穫期に関連するDNAマーカー(BGA35、PPACS2)による選抜効果を5集団、約400個体で評価し、それぞれの寄与度は8.9%~40.4%で相加的であることを明らかにするとともに、当該マーカーを利用して914個体から306個体を幼苗選抜した。_x000D_ d) ニホンナシ「おさ二十世紀」、「南水」及び「巾着」の第11連鎖群上部末端に位置するDNAマーカーがニホンナシの黒斑病感受性に連鎖していることを見出し、早期選抜に利用できることを明らかにした。_x000D_ e) 無核性に連鎖するDNAマーカーを12種類見出すとともに、3集団を用いて選抜精度を検証し、それぞれ86.8%、83.3%、100%であることを明らかにし、当該マーカーを利用して14交雑組合せ、4,000個体から約1,200個体を無核性候補実生として選抜した。_x000D_ f) カンキツ137品種について、1,281のSNPマーカーの遺伝子型と果実形質との相関解析(ゲノミックセレクション)から果実重を高精度に予測できることを明らかにした。_x000D_ g) SNPマーカーと形質とのゲノムワイド相関解析(GWAS)により、果実重や果実硬度、果皮色、果肉色、苦味等の形質において閾値を越える相関を示すSNPマーカーを見出し、それらの遺伝子型にもとづいて37交雑組合せ、768個体から15個体を予備選抜した。_x000D_ h) かいよう病抵抗性に関連する2つのQTLを見出し、それらのQTLと連鎖するDNAマーカーを用いて8組合せ、243個体から48個体を抵抗 性候補実生として選抜した。_x000D_ _x000D_ このほか、_x000D_ a) カンキツの単為結果性に関連するジベレリン20(GA20)酸化酵素遺伝子をウンシュウミカンから2種類(CuGA20ox1、CuGA20ox2)単離し、本遺伝子を導入したシロイヌナズナでは茎頂が著しく伸長したこと等から生理活性を有することを確認した。_x000D_ b) カンキツのカロテノイド代謝遺伝子と関連して発現が変動する遺伝子CubHLH1を見出し、本遺伝子を導入したトマトではリコペン含量の低下等のカロテノイド組成の変化が生じることを確認し、カロテノイド生合成遺伝子の発現制御に関与する遺伝子であることを示唆した。_x000D_ c) ウメ、オウトウ、カキ、カンキツ、クリ、ニホンスモモ、ニホンナシ、ビワ、ブドウ、モモ、リンゴの11樹種を対象に、早期選抜 に利用可能なDNAマーカー情報を作物ゲノム育種研究センターのウェブサイトで公開した(http://www.naro.affrc.go.jp/genome/index.html)。_x000D_ |
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