課題名 | d.地域条件を活かした健全な家畜飼養のための放牧技術の開発 |
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課題番号 | 2006008476 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター 粗飼料多給型高品質牛肉研究チーム 農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 放牧管理研究チーム 農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター 集約放牧研究チーム 農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター 日本短角研究チーム 農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター 周年放牧研究チーム 農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 山地畜産研究チーム |
協力分担関係 |
北海道大学 北海道立畜産試験場 岩手大学 広島県立畜産技術センター 山口県畜産試験場 (独)酒類総合研究所 有限会社ティーエムアール鳥取 雪印乳業(株) 日本ミルクコミュニティ(株) 東北大学 |
研究期間 | 新規2006-2010 |
年度 | 2006 |
摘要 | (1)寒冷地帯でも積雪がほとんどない地域では9月上旬に造成したイタリアンライグラスを用いて冬季放牧ができ、また、立毛貯蔵した長大飼料作物(高糖分ソルゴー)の飼料価値はシバと同程度でありイタリアンライグラスと同程度の利用可能草量が得られることから、寒冷地帯でいくらかの積雪がある地域においても冬季放牧が可能なことを明らかにした。 (2)土壌凍結地帯での集約放牧において、メドウフェスク「ハルサカエ」は、晩秋まで短草利用しても牧草生産力が高く維持され、既存草地に作溝型追播機で導入可能なことを明らかにした。(3)日本短角種等肉用牛の胚移植に利用されるCIDR(黄体ホルモン製剤)による発情同期化処置は、発情日に開始するとその効果が低下するため、この時期の処置を避けることを提示し、また日本短角種のレシピエントから生まれた黒毛和種子牛の市場価格は乳用種をレシピエントとするものと差がないことを明らかにした。(4)小規模放牧草地の植生調査で、154種の植物が確認され、ススキ、チガヤ等の8種の優占種を特定するとともに、放牧去勢牛は、舎飼肥育中と比べ必須脂肪酸、α-リノレン酸が多く含まれ、脂肪酸由来風味は同等レベルにあり、肉の日持ち良さに関係する抗酸化性成分も多く含まれことを明らかにした。(5)暖地型牧草バヒアグラスの4倍体品種「ナンオウ」は、従来の2倍体品種に比べ夏期においても草質が良好で、黒毛和種牛の親子放牧において、放牧子牛の発育は約20%改善され、母牛は連産可能な良好な繁殖成績を示すことを明らかにした。(6)GPSによる行動軌跡測定から傾斜草地における歩行エネルギー消費量を推定する方法について検討した結果、低速時には誤差が大きかったものの歩行速度が速い場合には高精度で推定できることを明らかにした。(7)習慣的な歩行運動により細胞接着、アポトーシス制御および炎症反応に関与する遺伝子群が運動前に比べて抑制されることから、これらを放牧と関連する生体防御遺伝子として絞り込んだ。放牧飼養で生産される乳脂肪中の機能性成分である共役リノール酸濃度は、摂取飼料中に占める放牧草乾物重割合が多いほど高く、昼夜放牧では舎飼時に比べて最高値で3倍に、平均値で2倍以上に上昇することを明らかにした。 |
カテゴリ | イタリアンライグラス 機能性成分 GPS 飼料作物 肉牛 繁殖性改善 品種 放牧技術 |