課題名 | e.作物の低温耐性等を高める代謝物質の機能解明とDNAマーカーを利用した育種素材の開発 |
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課題番号 | 2006008521 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター 低温耐性研究チーム |
協力分担関係 |
昭和大学 (独)産業技術総合研究所 北海道立十勝農業試験場 北海道大学 京都大学 東京農業大学 理化学研究所 千葉大学 かずさDNA研究所 |
研究期間 | 新規2006-2010 |
年度 | 2006 |
摘要 | (1)小麦の越冬性および雪腐病抵抗性発現に関わる分岐型フルクタン合成酵素遺伝子およびフルクタン分解酵素遺伝子を新たに単離し、これらの酵素の機能を明らかにした。(2)小麦から単離した抗菌たんぱく質の紅色雪腐病菌等に対する抗菌活性に影響を与えるアミノ酸配列を特定した。また、低温ショックたんぱく質がRNAシャペロンとしての基本活性を持つことを2本鎖核酸解離活性解析により明らかにした。さらに、同たんぱく質遺伝子のノックアウト変異は耐凍性を低下させ、過剰発現は耐凍性を強化することを明らかにした。(3)稲のトレハロース生合成酵素のゲノム上の多重構造、遺伝子応答および酵素活性が微生物や動物とは異なることを明らかにし、トレハロースが植物特異的な糖シグナリングに関与している可能性を示した。また、抗生物質耐性遺伝子ではない稲由来の選抜マーカーを持つベクターを用いてストレス耐性遺伝子を導入した6種類の形質転換稲を作出した。そのうち、活性酸素消去系酵素遺伝子APXaを導入した形質転換稲については、穂ばらみ期耐冷性が向上していることを明らかにした。(4)稲品種「ほしのゆめ」を遺伝背景としてCtb1、2またはqCTB-8を導入した準同質遺伝子系統を作出した。また、大豆品種「トヨハルカ」と「トヨムスメ」のRILの解析により、連鎖群A2に効果の大きな新規の耐冷性QTLが存在することが示唆された。(5)寒地適応性と機能性を併せ持つ大豆の開発を目的とした研究では、機能性ペプチドを蓄積した組換え種子を増殖し、高血圧モデルラットに対する血圧降下作用を確認した。また、稲改変型アントラニル酸合成酵素遺伝子の導入により、大豆種子のトリプトファン含量を最大で2.2倍に高めることに成功した。 |
カテゴリ | 育種 寒地 機能性 小麦 耐寒性 大豆 DNAマーカー 抵抗性 品種 |