| タイトル | 担子菌ネナガノヒトヨタケの新規遺伝子組換えマーカーの開発 |
|---|---|
| 担当機関 | (独)食品総合研究所 |
| 研究期間 | 2002~2003 |
| 研究担当者 |
伊藤康博 |
| 発行年度 | 2003 |
| 要約 | 担子菌ネナガノヒトヨタケからフルトラニル抵抗性変異遺伝子を単離した。この遺伝子は担子菌の遺伝子組換え体選抜マーカーとして利用できる。 |
| キーワード | 担子菌、遺伝子組換えマーカー、コハク酸脱水素酵素 |
| 背景・ねらい | 担子菌のモデル生物と言われるネナガノヒトヨタケでは、分子生物学的研究を行う際に必要な遺伝子組換え体 選抜用のマーカー遺伝子が限られるため、実用的なマーカー遺伝子の開発が望まれている。本研究では、担子菌に異性の高い薬剤フルトラニルに抵抗性を示す突然変異遺伝子を単離し、その特性を解析することにより、担子菌組換え体選抜マーカーへの活用を図る。 |
| 成果の内容・特徴 | 1.フルトラニル耐性変異遺伝子をネナガノヒトヨタケ変異株のゲノムライブラリより単離した。本変異遺伝子 はコハク酸脱水素酵素複合体 C サブユニット(SdhC)遺伝子に 1 塩基変異が生じ、これに伴い 1 アミノ酸置換 が起こったものである(塩基配列及びアミノ酸配列:DDBJ accession No. AB092687, AB092688)。 2.コハク酸脱水素酵素はミトコンドリア画分に存在し、コハク酸から電子をキノンへ伝達する反応を触媒するが、 フルトラニルはこの反応を阻害する。変異株及び変異遺伝子組換え株から単離したミトコンドリアでは、フ ルトラニル存在下でもコハク酸を基質とした電子伝達反応が野生株に比べ阻害されない(図1)。 3.本研究で変異が見出された周辺のアミノ酸配列は、大腸菌ホモログ蛋白質においてキノン結合部位として知ら れている。担子菌の野生型酵素ではフルトラニルがキノン結合部位周辺に結合しキノンの結合を妨げるが、 変異による構造変化でフルトラニルの結合は低下する一方で、キノン結合には影響が少ないため、酵素活性 が維持されると考えられる(図2)。 4.本変異遺伝子はネナガノヒトヨタケの遺伝子導入実験において、組換え体選抜のためのマーカー遺伝子として 利用できる(図3)。 |
| 成果の活用面・留意点 | 1.フルトラニル耐性変異遺伝子を用いたネナガノヒトヨタケの遺伝子組換え体選抜系を開発した。本変異遺伝 子はネナガノヒトヨタケの遺伝子組換え研究に利用できる。 2.フルトラニルは他の担子菌類(ヒラタケ等)に対しても有効であるが,他の担子菌について利用するには、 同様の変異遺伝子を作製する必要がある。 |
| カテゴリ | 抵抗性 薬剤 |
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