カバークロップによって休耕田、遊休水田を管理する

タイトル カバークロップによって休耕田、遊休水田を管理する
担当機関 作付体系研究室
研究期間 2002~2005
研究担当者 臼木一英
三浦重典
山本泰由
田澤純子
発行年度 2005
要約  冬作のカバークロップとしてヘアリーベッチ、夏作のカバークロップとしてエンサイを水田に周年にわたり栽培することで周年畑管理条件では2年間、夏期湛水管理条件では3年間雑草の発生、繁茂を抑制でき、カバークロップ跡の水稲栽培にも支障がない。
キーワード カバークロップ、休耕田、遊休水田、ヘアリーベッチ、エンサイ、水稲栽培
背景・ねらい  フ米の生産調整政策が開始されて久しいが、依然として耕作放棄水田や夏期に作物が栽培されない不作地の水田が発生しており、それらの省力的な管理法や保全対策が必要となっている。そこで、さまざまな事情により転作作物の作付けが困難な水田の荒廃を防ぐため、畑地で利用されているカバークロップによる省力的な管理技術を開発する。
成果の内容・特徴 1.
冬作のカバークロップとしてヘアリーベッチ(Vicia villosa)、夏作のカバークロップとしてエンサイ(Ipomoea aquatica)を用いた。ヘアリーベッチは繁茂力が大で土壌面を被覆する時期が早く被覆期間も長期にわたり、窒素吸収量(1.4∼2.3㎏/a)も多く跡地への窒素富化が大きい。エンサイは耐湿性が強でヘアリーベッチ跡では無肥料でも旺盛に生育し雑草化の懸念はなく、降霜で枯死するため刈り取りの必要はない(表1)。
2.
エンサイは最も高い苗立歩合が得られるヘアリーベッチ開花終期(6月下∼7月上旬)の立毛中に播種する。さらに、立毛播種後にヘアリーベッチを刈り倒し敷き草にすると苗立歩合は向上する(図1)。
3.
ヘアリーベッチ-エンサイ体系の導入により、周年畑管理条件では2年間、夏期湛水管理条件(6月下∼9月中旬、2.5か月間湛水、他の期間は畑管理)では3年間多年生雑草の侵入・発生が抑えられる(図2)。
4.
ヘアリーベッチは2年目以降、自然落下種子による出芽(20∼125本/m²)があり新たに播種する必要はない。
5.
本体系跡の水稲は、連年水稲栽培跡の水稲と同等もしくはそれ以上の収量が得られる(表2)。
成果の活用面・留意点 1.
ヘアリーベッチの自然落下種子は水稲を1年間栽培した跡では8∼26本/m²、同2年間跡でもm²当たり数本発生するので輪換畑では雑草化する懸念がある。
2.
ヘアリーベッチは0.5㎏/a(畝間60㎝の条播)、エンサイは0.2∼0.3㎏/a(ヘアリーベッチ立毛中への散播)程度播種する。
3.
エンサイの種子は高価である。
図表1 211527-1.gif
図表2 211527-2.gif
図表3 211527-3.gif
図表4 211527-4.gif
カテゴリ 肥料 病害虫 エンサイ 管理技術 雑草 水田 水稲 耐湿性 播種 水管理

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