| タイトル | 新しい木質系材料「木材・プラスチック再生複合材」の環境JIS化 |
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| 担当機関 | (独)森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
木口 実 片岡 厚 桃原 郁夫 松永 浩史 松井 宏昭 |
| 発行年度 | 2008 |
| 要約 | 木質廃材と廃プラスチックとを複合させた新しい木質系材料の諸性質を明らかにすることにより、我が国で2番目の環境JIS A5741:2006の制定に貢献しました。 |
| 背景・ねらい | 循環型社会の構築を目指して建設リサイクル法などの法律が制定され、材料のリサイクルが促進されています。しかし、年間500万トンにも達する木質系建設廃材や樹脂トレイなどの廃プラスチックの再資源化率は低く、有効な再利用化技術が求められています。 木質廃材とプラスチック廃材とを混合し成型により様々な形状の材料となる「木材・プラスチック再生複合材」は、このような環境配慮型の新材料として誕生しました。この新材料の性能やリサイクル性等の情報は、まだ十分に消費者に知られていないことから、新しい環境配慮型の規格である環境JIS*として2006年4月に「木材・プラスチック再生複合;JIS A5741:2006」が制定されました。森林総合研究所では、この再生複合材の諸性質を明らかにし性能の向上を図ることによって、再生複合材の環境JIS化に貢献してきました。 |
| 成果の内容・特徴 | 廃材からの木粉と熱可塑性廃プラスチックとを混合させた木材・プラスチック複合材(Woodfiber-Plastic Composites;略してWPC*)は、木質感を持つ様々な形状の製品が製造でき(写真1)、最近では環境に配慮した材料としても注目されている新しい木質系材料です(写真2)。WPCは、アメリカでは外構用のデッキ材として年間100万トン規模で製造され、ヨーロッパでは自動車用の内装材などを中心に使用されていますが、我が国では市場での認知度が低く公的な規格も無かったため、デッキ材等で利用されてきたものの消費者の関心がまだ低いのが現状です。WPCは原材料として廃棄物が利用でき、更にWPC自体も使用後にリサイクルできる多回リサイクル性を持つなど、環境に配慮した製品です。そのため、WPCの持つ性能やリサイクル性等を評価して環境JISとして制定することになりました(表1、図1)。 WPCは木材とプラスチックとの配合比でその性質が大きく変わります。デッキ材などのエクステリア用では木材とポリエチレンやポリプロピレン等のプラスチックを質量比1:1程度で混合し、押出法により成形します。このようにして製造されたデッキ材は、疎水性や耐久性の高いプラスチックが木粉を保護するため高い耐水性が得られます。ただし耐水性や耐候性は木粉の配合率によって大きく変化し、長期間の劣化環境下では吸湿率の増加や腐朽が生じることもあります(図2、3)。また、長年風雨にさらされる場所で使用すると、表面の変色やチョーキングと呼ばれる粉をふいたような現象が現れることが分かってきました。このような劣化メカニズムを解明したことによって、複合材の性能を更に向上させることが可能となります。 WPCは再生産可能でカーボンニュートラルな木材を使用しているため、化石資源を用いて製造される石油系プラスチックに置き換わる材料として注目されています。さらに、最近の原油の価格高騰や供給不安により、プラスチックを木質に代替することは環境的にも経済的にも重要となっています。今後は、今回制定された環境JISを元に製品の認知度及び性能を高め、新しい用途を開拓していく必要があります。 本研究は、文部科学省科学研究費「木粉・プラスチック複合材の耐候性・耐腐朽性に及ぼす水分の影響の解明」(No.17380109) による成果です。 *環境JIS;循環型社会構築に向けて、日本工業規格(JIS)を制定している日本工業標準調査会環境・資源循環専門委員会が ”環境JIS策定アクションプログラム” を定め、環境に配慮した製品に対して制定される環境配慮型規格。第1号は2004年に制定されたエコセメント(JIS R5214)で、「木材・プラスチック再生複合材」は第2号となりました。 *WPC;従来から我が国でも使用されている木材素材にアクリル樹脂などの熱硬化性樹脂を注入して強度や硬度を高めたものもWPC(Wood Plastic Combination)と呼ばれていますが、日本木材学会では従来型のWPCを「注入型WPC」、木粉と熱可塑性プラスチックとを混練、成形した新しいWPCを「混練型WPC」と区別する案を提案しています。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| 図表5 | ![]() |
| 図表6 | ![]() |
| カテゴリ |
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