タイトル | キク・cabプロモーターの利用によるキク形質転換体での遺伝子発現 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 花き研究所 |
研究期間 | 1999~2001 |
研究担当者 |
間竜太郎 岸本早苗 柴田道夫 大宮あけみ 大平和幸(サントリー) 田中良和(サントリー) |
発行年度 | 2001 |
要約 | キク属野生種から単離したクロロフィルa/b結合タンパク質遺伝子のプロモーターが、キク形質転換体において導入遺伝子を安定的に発現させる。 |
キーワード | キク、形質転換、プロモーター、外来遺伝子発現 |
背景・ねらい | キクでは、植物の外来遺伝子発現に最もよく用いられているCaMV35Sプロモーターが働きにくいことが知られている。そこで、キク由来のプロモーターを利用することでキク形質転換体において導入遺伝子を安定的に発現させようとした。 |
成果の内容・特徴 | 1. キク属野生種から単離したクロロフィルa/b結合タンパク質遺伝子のプロモーター(cabプロモーター)とGUS遺伝子を連結したキメラ遺伝子をキク‘セイマリン’に導入した。得られた形質転換体(NPTⅡポジティブ)の内29%の個体が100 pmoles 4MU/mgprotein/min 以上のGUS活性を示し、35Sプロモーター(12%)を用いた場合よりも高かった(図1)。 2. 培養中の葉、および隔離温室で開花させた時点での葉と花弁のGUS活性を表1に示す。CaMV35Sプロモーター、cabプロモーターのどちらを用いた場合でも、幼植物の時期に発現していた個体は、開花時の葉においても引き続き安定して発現していた。なお、 cabプロモーターは花弁においては低い発現レベルを示した。 |
成果の活用面・留意点 | 1. キクcabプロモーターは、キクにおける外来遺伝子発現用プロモーターとして利用できる。 2. 本プロモーターは、葉での外来遺伝子発現には有効であるが、花弁ではほとんど発現しない。 3. 本成果は品種‘セイマリン’を用いて得た結果である。他の品種における効果については未確認である。 |
図表1 | ![]() |
カテゴリ | きく 品種 |