大果で食味がよい中生のビワ新品種「なつたより」(系統番号:ビワ長崎15号)

タイトル 大果で食味がよい中生のビワ新品種「なつたより」(系統番号:ビワ長崎15号)
担当機関 長崎果樹試
研究期間 1990~2007
研究担当者 稗圃直史
福田伸二
富永由紀子
寺井理治
根角博久
浅田謙介
長門 潤
佐藤義彦
中山久之
中尾 敬
発行年度 2007
要約  ビワ新品種「なつたより」 (系統番号:ビワ長崎15号*)は、「長崎早生」に「福原早生」を交雑して育成した中生の系統である。「茂木」よりやや早く成熟し、「茂木」と比べ大果であるとともに、果肉は軟らかく糖度が高く、食味は良好である。
キーワード ビワ、新品種、大果、良食味
背景・ねらい  ビワは摘果・袋掛けや収穫・調製に労力が集中する上に、経済栽培が可能な優良品種が少ないため、生産規模の拡大には熟期の異なる優良品種を育成し、労力分散を図る必要がある。中生品種として、長崎県などの西日本では「茂木」、千葉県では「大房」が栽培されているが、「茂木」は果実の大きさ、「大房」は果実品質、果皮障害などに問題があるため、優良品種の育成が求められている。そこで、大果で食味が優れる中生のビワ新品種の育成を図る。
成果の内容・特徴
  1. 1990年(平成2年)に長崎県果樹試験場において「長崎早生」に「福原早生」を交雑して育成した系統である。2002年(平成14年)から「ビワ長崎15号」としてビワ第3回系統適応性検定試験に供試してその特性を検討した結果、2007年(平成19年)の果樹系統適応性・特性検定試験成績検討会(常緑果樹)において優秀性が確認され、新品種として適当であるとの結論が得られた。
  2. 樹勢は強く、「茂木」よりも樹は大きい。樹姿はやや直立である。着花性は良好で、1樹当たりの収量も多く豊産性である。がんしゅ病Cグループ菌には罹病性であるが、がんしゅ病AおよびBグループ菌に抵抗性で、がんしゅ病の発生は少ない。育成地における熟期は5月下旬で、「茂木」よりやや早く成熟する(表1)。
  3. 果実は短卵形で、果皮および果肉は橙黄色である。果実重は60g以上で「茂木」よりも大果であり、果肉も厚い。果肉は比較的軟らかく、「茂木」に比べて酸含量は同程度であるが糖度が高く、食味良好である。そばかす症および紫斑症が発生することがあるが、果皮障害は概ね少なく、外観良好である(表1、図1、図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 「茂木」よりもやや早く収穫できるので、「茂木」主体の経営体においても収穫労力の分散による経営改善が可能である。
  2. 果皮は橙黄色であるが、「茂木」よりも橙色がやや薄いので、収穫適期を逃さないように注意する。
  3. 年により樹冠上部や外周部の果実に紫斑症が発生することがあるので、遮光性の高い果実袋を用いるなどの対策が必要である。
図表1 213221-1.jpg
図表2 213221-2.png
図表3 213221-3.gif
カテゴリ 経営管理 新品種 そば 抵抗性 びわ 品種 良食味

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる