タイトル | 基盤整備した汎用田の透排水性と先端的技術導入による多収栽培の実証 |
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担当機関 | 中央農試・技術普及部・技術体系化チーム |
研究期間 | 2001~2005 |
研究担当者 |
飯田修三 竹内晴信 塚本康貴 吉良賢二 三宅俊秀 田中義則 佐藤導謙 鴻坂扶美子 角野晶大 橋本庸三 岡田直樹 金子剛 竹内稔 熊谷聡 |
発行年度 | 2005 |
要約 | 大区画に基盤整備した汎用田では透排水性が改善され、サブソイラなどの営農的排水対策も透排水性向上に効果的である。また、大豆の狭畦密植栽培、秋まき小麦の大豆間作栽培、春まき小麦の初冬まき栽培など先端的栽培技術を投入することにより転換畑作物の収量、収益性が向上する。 |
キーワード | 基盤整備、転換畑、透排水性、狭畦密植、間作栽培、初冬まき、細密心破 |
背景・ねらい | 大区画基盤整備を実施した汎用田における透排水性への効果を明らかにするとともに、転作作物について先進的栽培技術を活用した大規模な現地実証試験を行い、水田地帯における複合経営確立のための資とする。 |
成果の内容・特徴 | 1.区画整理に伴う大区画化、明暗渠の整備を実施した実証圃場では、暗渠排水の機能は高く維持される。透水性や通気性に関与する土壌物理性が施工直後に一時的に低下した場合でも経年的に回復する。この傾向は特に畑地転換の継続で顕著であるが、.水稲作の継続は回復を遅らせる。(表1) 2.プラソイラの施工や、既存のサブソイラを用いて0.8m間隔に施工した細密心土破砕は、圃場の透排水性をより高める上で効果的である。また、透排水性の面から大豆の収量性が不安定な場合に効果が期待される。 3.転換畑において先進的技術を活用して栽培した結果、収量は地区平均を大きく上回り、設定した実証目標を越えた場合が多い。(表2) 4.転換畑における具体的な先進技術として、①秋まき小麦の大豆間作栽培、②秋まき小麦間作栽培における秋施肥、③春まき小麦の初冬まき、④春まき小麦の初冬まき栽培における止葉期追肥、⑤主茎型大豆品種の狭畦密植栽培、⑥転換初期畑の大豆追肥栽培、⑦営農的排水対策(プラソイラ施工や細密心破)が有効であると考えられる。(表2、3) 5.転換畑における雑草、病害虫については特に問題となる点は認められないが、雑草抑制など期待される優点も大きくはない。 6.本事業で実証した基盤整備と改善技術による高水準の収量性(表2の実証収量の作物別平均値)を実現することにより、秋まき小麦で37.7千円/10a、大豆で29.2千円/10aの所得が期待でき、20ha規模、転作率60%の場合、畑作部門で350万円以上の所得が見込まれるとともに、基盤整備への投資負担能力は、回収期間20年、利子率2%とすると、畑作部門のみでは223~282千円/10aが、水稲部門を含めた経営全体では89~125千円/10aと見込まれる。 |
成果の活用面・留意点 | 1.本事業を実施した圃場は空知南西部における水田土壌であり、本成績は道央の水田地帯に適応する。 2.コムギ縞萎縮病発生圃場では、水田復元後、畑地に再転換した場合に発生が拡大する恐れがある。 平成17年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 汎用田基盤整備の効果と畑地転換後の栽培技術実証(指導参考) |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 萎縮病 害虫 経営管理 小麦 栽培技術 雑草 水田 水稲 施肥 大豆 排水性 品種 |