タイトル |
だったんそば「北海T8号」の高ルチン子実生産のための安定栽培法 |
担当機関 |
北海道立中央農業試験場 |
研究期間 |
2004~2006 |
研究担当者 |
神野裕信
菅原章人
奥村 理
佐藤導謙
谷藤 健
田中義則
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発行年度 |
2006 |
要約 |
普通そばとの比較により、だったんそばのタデキジラミ害、脱粒性、機能性成分ルチン含量の変動などの生育特性を明らかにし、子実重や品質が安定する栽培条件を設定した。
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キーワード |
だったんそば、タデキジラミ、ルチン
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背景・ねらい |
機能性食品として消費者の注目が高く作付が増加しているだったんそばについて、本道における特産化を図るため、生育特性を明らかにするとともに機能性成分ルチンの栽培条件による変動を検討し、その栽培指針を得る。
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成果の内容・特徴 |
- だったんそば「北海T8号」は、6月中旬以降、播種期が遅れるほど、倒伏とタデキジラミ(AphalarapolygoniFORSTER)の吸汁害が顕著となり、減収程度が大きくなる(図1)。このため、播種適期は、晩霜の危険の無い時期から6月上旬までである。
- 立毛数が150本/㎡を下回ると減収する傾向にあり(図2)、150~200本/㎡の範囲では倒伏程度がほとんど増加しない。このため、播種適量は150~200粒/㎡である。
- 無肥料区は標準施肥区(普通そば標準施肥量)に比べ、草丈が低く、倒伏程度は小さいが、低収で千粒重が軽い(図3)。このため施肥量は普通そばと同程度(1~3kgN/10a)を基本とするが、圃場の土壌肥沃度が高い場合など、倒伏が懸念される場合は普通そばよりも窒素を減肥する。
- 収穫後追熟を行う場合は、子実重や品質の変動が少なくなる成熟粒率70~80%が収穫適期である。コンバイン収穫は未熟粒が減少し茎葉の枯凋が進む成熟粒率90%程度が適期であるが、この時期までに強い降雨や風を受けた場合には、激しく脱粒し減収する(図4)ので、成熟期後は天候に留意し、早めに収穫を行うことが望ましい。
- ルチン含量は播種期が早いほど多い傾向にあり、6月上旬以降、播種期が遅れるほど低下する(図5)。播種量や施肥の有無、成熟期後日数によるルチン含量の変動は、ほとんど認められない。
- 以上より示された、だったんそばの標準耕種法は表1の通りである。
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成果の活用面・留意点 |
- 本成績は道央および道北地域の試験データに基づく。
- 茎葉が残っている場合の機械収穫は、刈り取り速度を遅くするなど「ソバの機械収穫乾燥技術」(平成6年北海道指導参考事項)を参考に実施する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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図表7 |
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カテゴリ |
肥料
乾燥
機能性成分
栽培条件
機能性食品
施肥
そば
播種
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