平行リンク式ロータリハローシーダによる大豆播種精度向上技術

タイトル 平行リンク式ロータリハローシーダによる大豆播種精度向上技術
担当機関 (独)農業技術研究機構 中央農業総合研究センター
研究期間 2000~2002
研究担当者 梅田直円
金谷豊
長坂善禎
阿部重国
杉本光穂
小林恭
小林有一
大塚寛治
黎文
発行年度 2002
要約 傾斜目皿式播種機は、大豆種子では振動が小さい程繰出し率が高く種子落下時間の標準偏差が小さい。ロータリハローシーダ連接部の平行リンク機構はロータリハローで発生する振動を播種ユニットへ伝播するのを低減させ、播種精度を向上させる効果がある。
キーワード 播種、大豆、傾斜目皿式播種機、ロータリハローシーダ、振動
背景・ねらい 大豆作における播種時の種子の不落下は、圃場への雑草の侵入を招き、管理作業の増大、収穫時の雑草混入による汚粒発生などが懸念される。また、播種間隔が密になると徒長や施肥効果の低減等による収量低下など、播種間隔のばらつきは生産過程の全般にわたって大きな影響を及ぼす。一方、ロータリハローシーダでは耕耘時に大きな振動を発生し、その振動が播種間隔を撹乱する要因の一つとして考えられる。
そこで、振動が播種ユニットの播種精度におよぼす影響を調査する。また、ロータリハローシーダへの防振機構の付加により播種精度を向上し、大豆初期成育環境の斉一化を図る。
成果の内容・特徴 1.
傾斜目皿式播種ユニット(1粒播用目皿、8穴)を周波数20Hzで鉛直方向に加振し、目皿回転速度(12~47rpm)を変えた条件における、大豆種子(品種:タチナガハ)の落下時間の標準偏差を図1に示す。種子落下時間の標準偏差は加速度実効値の上昇にともなって高くなり、10m/s2を超えると急速に大きくなる。また、加速度実効値10m/s2、目皿回転速度36rpm以下の条件における繰出し率は、加速度実効値が高くなるに従い低くなる傾向を示す。以上より、目皿回転速度36rpm以下では、加速度実効値が低いほど精密な播種間隔を保つことができる。
2.
平行リンク式ロータリハローシーダはロータリハローと播種ユニットとの連接部に平行リンク機構を有する(図2)。
3.
不耕起の畑圃場において走行速度約0.5m/sで作業したときに播種ユニットで発生する振動の加速度実効値は、平行リンク式ロータリハローシーダでは4.6m/s2、連接部が固定式では9.4m/s2で平行リンク式の方が小さい(図3)。また、播種ユニットに発生する振動は17Hz付近にピークが現れ、平行リンク式のピーク値は固定式よりも小さいことから、平行リンク機構はロータリハロー由来の振動を低減する効果がある。
4.
1株あたりの苗立ち数の頻度分布を図4に示す。平行リンク式の方が1~2本区の割合が高く、また0本区、3本区が少ない傾向があり苗立ちが均等である。
成果の活用面・留意点 1.
不耕起圃場や水田転換畑等で土壌が硬く大きな振動が発生する圃場において精度よく播種するのに有効である。
2.
大豆種子に粉剤をまぶした場合や種子水分が高い場合等には、繰り出し精度および播種落下時間の標準偏差が変わることが予想される。
図表1 216820-1.gif
図表2 216820-2.gif
図表3 216820-3.gif
図表4 216820-4.gif
カテゴリ 病害虫 雑草 水田 施肥 大豆 播種 品種

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