タイトル | 評点法を用いた集落営農の意向把握法 |
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担当機関 | 石川農総研 |
研究期間 | 2000~2003 |
研究担当者 |
向井俊忠 工藤卓雄(中央農研) 種本博 森尾昭文 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 集落営農のように様々な対立軸がある意思決定の問題を総合的に関連づけて分析する手法として評点法を取り上げ、集落営農体制の再編事例に適用したところ、集落営農の簡易な意向把握法として十分有効であることを実証した。 |
キーワード | 評点法、集落営農、意向把握 |
背景・ねらい | 集落の合意により望ましい集落営農の意思決定を図るには、個々の農家が集落営農に期待する当面の利益や農地管理、生きがいなど様々な意思決定の要因を考慮する必要がある。 そこで、これらの対立軸のある要因を総合的に関連づけて分析する手法として評点法を取り上げ、集落営農体制の再編事例を対象に、集落営農の簡易な意向把握法としての有効性を実証する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 集落全体の意向把握に対する分析結果(式、図) 1) 集落協業のS集落では、将来の方向として持続的農地管理と省力化軽減のウェイト が高く、総合評価値によると、代替案の中では新たな組織へ再編するか大規模経営へ外部委託を特に望んでいる。 2) 機械共同利用のT集落では、現状組織と新たな組織の総合評価値が高い。 2. 立場が異なる階層間の意向把握に対する分析結果(図) 1) オペレーター等の少数の意見や階層間の異なる意見が全体の意見の中に埋没する場 合は、個別データを集計・分析して全体の意見と比較し、立場の異なる階層間の意見 調整のきっかけにすることが必要である。 2) 集落協業のS集落では、組織運営に中心的な役割を担う少数のオペレーター層の意見を重視し個別に集計・分析したところ、全体の意見と比べて長期的な農業所得確保のウェイトが高く、出役が過重なことから現状組織の維持に対する意見が低いという結果を得た。 3. 評点法による分析結果後の集落営農体制の動向 1) T集落では、分析結果を基に今後の営農体制について話し合いが行われたが、誰が法人化の世話をするかが問題になり、最終的に現状組織のままでいくことになった。 2) 一方、S集落では、その後集落協業が解体し、特定の担い手を中心とした新たな法人経営が設立されており、分析結果が集落全体とオペレーター層との間で話し合いの資料として有効に活用された。 |
成果の活用面・留意点 | 集落営農の再編に対する評価基準と代替案の選択肢は、KJ法などを用いて集落内農家の意見を十分集約して検討することが望ましい。 |
図表1 | |
カテゴリ | 経営管理 省力化 大規模経営 評価基準 |