タイトル |
SSRマーカーによるビワの品種識別法 |
担当機関 |
千葉農林総研究 |
研究期間 |
2004~2006 |
研究担当者 |
山本俊哉(果樹研)
小原麻里
大越一雄
渡邉学
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発行年度 |
2008 |
要約 |
千葉県が育成した種子なしビワ新品種「希房」を含む23品種・系統は、生葉または果実から抽出したDNAを材料として、リンゴ及びナシで開発された26種類のSSRマーカーによる多型パターンから識別できる。
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キーワード |
種子なしビワ、品種識別、SSRマーカー、DNA
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背景・ねらい |
地域農業の振興を図るために、地域独自のオリジナル品種が開発されている。これらのオリジナル品種に対する信頼性を確保し、品種育成者権を保護するために、品種を正確かつ迅速に識別できる技術を開発することは極めて重要である。 そこで、千葉県が開発した種子なし三倍体ビワ新品種「希房」及び既存の二倍体品種を中心に、品種間DNA多型を利用した精度の高いビワの品種識別技術を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- リンゴ及びナシ由来のSSRマーカー88種類から、ビワの品種識別用に利用可能な26種類(リンゴ由来14種類、ナシ由来12種類)を選抜した(表1)。
- ビワの生葉または果実から、市販の植物DNA抽出キットNucleon PHYTOpure(GE Healthcare UK Ltd.)とキットのRegent1にメルカプトエタノールを1%(v/v)、ペクチナーゼ(Calibiochem社、441201)を0.5%(w/v)、耐熱性α-アミラーゼ(SIGMA社、A3403)を135U/ml加えることにより、純度の高いDNAを得ることができる。これら試薬は添加しないと、抽出時に溶液が褐変して、PCR反応で増幅産物が得られないサンプルもある。
- 26種類のSSRマーカーによる遺伝子型解析の結果から、新品種「希房」を含む23品種・系統が識別できる(表2)。
- 三倍体である「希房」を含む5品種・系統は、一部のSSRマーカーにおいて3種類の対立遺伝子を持っていた。また、「4N田中-1」と「長崎早生」は「希房」の両親であることが確認された。
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成果の活用面・留意点 |
- 本SSRマーカーによる品種識別は、供試した23品種・系統内のみ識別が可能である。他の品種について適用する場合は、本SSRマーカーによる遺伝子型を23品種・系統間と比較することが必要である。同一の遺伝子型を示した場合、新規マーカーが必要である。
- 最少マーカーセット(CH03a09、CH03d12、CH03g06、CH04e03、NH033b、NH007b)を使ってマルチプレックスPCRを行うことにより、短時間で効率よく識別することが可能である。
- 各種SSRマーカーの分析には、DNAシーケンサーなどの機器が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
新品種
びわ
品種
りんご
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