タイトル |
ロールベール体系に対応したリードカナリーグラス草地の省力管理技術 |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
山本嘉人
小山信明
進藤和政
萩野耕司
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発行年度 |
1997 |
要約 |
九州低標高地域において、永年生牧草であるリードカナリーグラス草地を造成し、年3回ロールベール乾草調製することにより、10t/ha/年の収量を確保した高い労働生産性の実現と良質な粗飼料生産が可能である。
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背景・ねらい |
酪農家では、ゆとりある畜産経営をねらい粗飼料生産をできるだけ省力化しようとして いる。省力的な粗飼料生産を実現するため、ロールベール乾草調製とそれに関わる素材技 術を組み合わせ、永年利用ができるリードカナリーグラス草地の省力管理技術を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- リードカナリーグラスは、一度造成すれば数年にわたって利用でき、かつ省力的管理が可能なロールベール利用に適した草種である。
- 5月中旬、7月下旬、9月下旬の年3回の乾草調製が可能である。年間の乾物収量は造成後徐々に高まり10t/haを越える(表1)。
- 堆肥散布を除いた年間の作業時間は、813分/haであり、毎年の草地造成作業が不要なことから極めて労働生産性が高い(表2)。
- ロールベール乾草のTDNは、年3回の収穫時のいずれも51~54%であり、粗蛋白率も12%程度と比較的高い(表3)。
- 草地の造成は9~10月中旬に行い、播種量は10~20kg/haとする。
- 春に雑草が多い場合は、基肥を少なくし3月末から4月初めに掃除刈りを行うとともに、1番草の収穫後の追肥を控える。イタリアンライグラスに対しては冬期のジグワット・パラコート液剤、ハマスゲに対しては2番草刈取後のMCPソーダ塩散布が有効である(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本技術は、夏の粗飼料生産において、より一層の省力化に有効である。とくに多湿土壌に適する。
- 他草種に比較して、発芽率が低く初期生育はやや劣る。安定した収量が得られるまでには造成後も追播や雑草防除が必要である。収穫時に天候がすぐれないときは、ラップサイレージとする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
イタリアンライグラス
経営管理
雑草
省力化
省力管理技術
乳牛
播種
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