背線高による育成牛の簡易発育把握法

タイトル 背線高による育成牛の簡易発育把握法
担当機関 草地試験場
研究期間 1993~2002
研究担当者 阿部佳之
伊吹俊彦
伊藤信雄
一柳まさみ(富士平工業)
加茂幹男
中野貞雄(富士平工業)
梅田直円
福重直輝
発行年度 2000
要約 き甲より後方の背線の高さの平均値を背線高と定義する。歩行時背線高は,静止時背線高との差が小さく,繰り返し測定した場合の変動係数も小さい。体高,十字部高と相関が高く,育成牛の発育の簡易把握に有効である。
背景・ねらい
 牛の体型は,牛の発育状態を把握するうえで重要な生体情報の一つである。体型測定は,作業が繁雑で労力を要するため,その省力化が求められている。しかし,部位の特定や牛の姿勢制御が困難なため,センサ等を利用した省力的な測定方法が普及していない。そこで,部位を特定せずにセンサで測定可能な発育指標として背線高を定義し,背線高と体高,十字部高との関係およびその実用
性について明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. き甲から後方の背線の高さの平均値を背線高と定義する。
  2. 3~13カ月齢のホルスタイン種雌牛を供試し,正姿勢時の背線高(静止時背線高)を測定した。
    静止時背線高は,体高(き甲高)より2.6cm高く,十字部高より3.0cm低く,体高,十字部高との相関が高い(図1)。
  3. 牛の歩行姿勢をビデオで観察し歩行中の背線高(歩行時背線高)を測定した(表1)。6頭の牛を7回測定し,歩法は常足,速足(歩行速度1.0~4.0m/s)であった。歩行時背線高は,静止時背線高との差が-0.6~0.6%の範囲であり,体高,十字部高と相関が高い。
  4. 歩行時背線高を繰り返し測定した場合の変動係数は,0.5~1.3%の範囲である(表1、表2)。また,慣行法によって繰り返し測定した場合,体高の変動係数は,1.2%(最小0.4%,最大1.7%),十字部高の変動係数は,1.3%(最小0.5%,最大1.8%)であり,歩行時背線高は測定精度が高い。
  5. 以上より,歩行時背線高は,測定精度が高く,体高,十字部高と同様に発育を把握するための指標となりうる。
成果の活用面・留意点
  1. 育成牛の発育の簡易把握に活用できる。
  2. 歩行時背線高は,常足,速足の歩法の範囲で測定する必要がある。

図表1 225087-1.png
カテゴリ 省力化

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