原麦β-グルカン含量が低いビール大麦は麦芽蛋白質の分解が過剰になりやすい

タイトル 原麦β-グルカン含量が低いビール大麦は麦芽蛋白質の分解が過剰になりやすい
担当機関 栃木農試
研究期間 2002~2005
研究担当者 長嶺敬
加藤常夫
山口恵美子
大関美香
渡邊浩久
粂川晃伸
大野かおり
関和孝博
渡邊修孝
発行年度 2006
要約 ビール大麦の麦芽蛋白質分解にはプロテアーゼ活性のほかに原麦β-グルカン含量も影響する。50%エタノール不溶性原麦β―グルカン含量が低く、プロテアーゼ活性が高い系統は麦芽蛋白質分解が過剰になりやすい。
キーワード 二条オオムギ、麦芽品質、コールバッハ数、β-グルカン
背景・ねらい  小麦の貯蔵蛋白質であるグルテニンの遺伝子型は生地物性に大きく影響する。グルテニンのうち、低分子量グルテニン・サブユニット(LMW-GS)の遺伝子座の一つで1B染色体短腕に座乗するGlu-B3 座がg 型のものは生地が強くGlu-B3g 遺伝子がめんの食感の改良に寄与している可能性が報告されている(Ikeda et al. 2005)。この遺伝子型を判別できるDNAマーカーが開発され(D'Ovidio et al. 1997、Maruyama-Funatsuki et al. 2005、Ikeda et al. 2006)、日本品種のGlu-B3 座の遺伝子型が明らかにされている(池田ら 2005)。本研究では、Glu-B3 座の遺伝子型を立毛で簡易にかつ高い精度で判別できる形質マーカーを選定する。
成果の内容・特徴 1.蛋白質分解が過度になりやすい品種(スカイゴールデン)は他品種に比べて、浸麦終了時(発芽0日目)にはすでに軟化度が大きい(図1)。
2.製麦軟化度(=種子硬度-麦芽硬度)と蛋白質分解の指標となるコールバッハ数(=麦芽の可溶性窒素/全窒素の比率)には相関が見られ(r=0.68**)、製麦時の胚乳組織の軟化程度が大きい品種ほど蛋白質分解の分解程度が大きい(図2)。すなわち、蛋白質分解のし易さと胚乳組織の硬度変化には関連がある。
3.プロテアーゼ活性はコールバッハ数と相関(r=0.52**)があり、高活性系統ほどコールバッハ数は大きい(図3)。
4.胚乳組織硬度に大きく影響すると推察される細胞壁主成分の原麦β-グルカン含量はコールバッハ数に影響する。プロテアーゼ活性が同程度の場合、原麦β―グルカン含量が3%未満の低含量系統は高含量系統に比べて、コールバッハ数が平均2.5%大きく、麦芽蛋白質が分解しやすい(図3)。
成果の活用面・留意点 1.麦芽蛋白質の分解程度には25kDシステインプロテアーゼのアイソザイム型も影響を及ぼすことが知られている。ただし、本州・九州品種にはほとんど多型が見られない。2.
一般に育成年次の新しい高品質品種は原麦β-グルカン含量が低い。高β-グルカン化は麦芽エキス含量など麦芽品質への悪影響が予想されるので、過剰な蛋白質分解特性を回避するにはプロテアーゼ活性を削減する方向への育種が望ましいと思われる。
図表1 226625-1.jpg
図表2 226625-2.jpg
図表3 226625-3.jpg
カテゴリ 育種 大麦 小麦 DNAマーカー 品種

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