飼料米給与による自給飼料活用型豚肉生産

タイトル 飼料米給与による自給飼料活用型豚肉生産
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2005~2008
研究担当者 勝俣昌也
京谷隆侍(茨城大学農)
佐々木啓介
三津本充
斉藤真二(フリーデン)
石田藍子
大塚誠(国際農研)
中島一喜
本山三知代
澤田一彦(フリーデン)
発行年度 2008
要約 飼料米を15あるいは30%配合した飼料を肥育豚に給与すると、良好な発育成績ならびに枝肉成績がえられる。また、皮下脂肪内層のオレイン酸割合は高く、リノール酸割合は低くなり、硬くしまりがある方向へ脂肪酸組成が変化する。以上の成績を基盤とし、自給飼料活用型豚肉生産を展開している。
キーワード 飼料米、肥育豚、自給飼料、耕畜連携
背景・ねらい 食料・農業・農村基本計画では、平成27年度までに飼料自給率を35%にまで引き上げることとしているが、平成17年度のわが国の濃厚飼料自給率はわずか 11%である。このような情勢の中、養豚関係者に対しても、濃厚飼料自給率の向上を積極的に進めることが求められている。緊急に解決するべきこの重要課題に対応するために、養豚と水田作を結びつけ、自給飼料活用型豚肉生産を目指した現場実証型試験研究を実施する。とくに、肥育豚の発育、枝肉成績、枝肉脂肪の脂肪性状に、飼料米給与が及ぼす影響を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 岩手県南部の一関市大東地区で栽培収穫した飼料米を用い、同地区に立地する大規模養豚場において肥育試験を実施した成績である。
  2. 配合した飼料米は、ふくひびき、奥羽飼394、同395、夢あおばなどで、粗タンパク質含量は6.6~7.5%、粗脂肪含量は1.9~2.1%である。供試頭数は、飼料米を15%配合する肥育試験では1159頭、30%配合する肥育試験では64頭である。
  3. 上記の飼料米をトウモロコシの代替で15%配合すると、飼料中のオレイン酸の割合が高く、リノール酸の割合が低くなる(表1)。30%配合でも同様である。
  4. トウモロコシの代替で飼料米を15%の割合で配合し、肥育後期豚に出荷までの60日間給与すると、発育、枝肉成績ともに良好である(表2)。30%配合、45日間給与の条件でも同様である。
  5. 上記の2つの条件で飼育した肥育豚から得る皮下脂肪内層は、オレイン酸の割合が高く、リノール酸の割合が低くなる(表3)。
  6. 以上の成績を基盤とし、飼料米の配合割合15%、給与期間60日の条件で、養豚と水田作を結びつけた自給飼料活用型豚肉生産を、上述の養豚場において展開している(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 肥育後期豚に飼料米を給与する際の指針となる。
  2. 飼料米の粗タンパク質含量は、品種、栽培方法の影響を受けるので、あらかじめ粗タンパク質含量を測定してから配合することが望ましい。
  3. 2mmのメッシュを通して粉砕した玄米を給与したときの成績である。
  4. 飼料米の栽培方法やコスト等の情報については、新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業「飼料米」の成果である「飼料米生産給与マニュアル」を参照されたい。
図表1 227208-1.jpg
図表2 227208-2.gif
図表3 227208-3.gif
図表4 227208-4.gif
カテゴリ コスト 出荷調整 水田 とうもろこし 品種

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