トルコギキョウ切り花の老化におけるエチレンの関与とチオ硫酸銀錯塩処理の有効性

タイトル トルコギキョウ切り花の老化におけるエチレンの関与とチオ硫酸銀錯塩処理の有効性
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1999~2003
研究担当者 久松完
後藤理恵
向井俊博
市村一雄
発行年度 1999
要約 〔要約〕トルコギキョウ切り花の老化にはエチレンが関与しており、チオ硫酸銀錯塩(STS)処理は花持ちを延長させる。受粉はエチレン生成を増加させることにより、花の寿命を著しく短縮するが、STS処理はこの作用を抑えることができる。
キーワード トルコギキョウ、老化、エチレン、チオ硫酸銀錯塩(STS)、受粉野菜・茶業試験場 花き部 流通技術研究室
背景・ねらい トルコギキョウの花持ちは必ずしも長くなく、花持ち性がより優れた切り花を流通させることが必要とされている。そこで、トルコギキョウ切り花の花持ちを向上するための基礎的知見を得るため、多くの花きで老化に関与していることが明らかなエチレンと老化との関連を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 花の老化にともないエチレン生成量は次第に増加する。エチレン生成の主な器官は雌ずいである。花弁でも老化にともない次第に増加するが、生成量は雌ずいよりも著しく少ない(図1)。
  2. エチレンに対する感受性は開花直後の花では認められないが、老化した花では高まる(表1)。
  3. エチレン作用阻害剤であるチオ硫酸銀錯塩(STS)に花持ち延長効果が認められ、最適処理濃度は0.1mM前後であった。0.1mMのSTSで24時間処理すると、切り花の寿命が約1.5倍延長される(表2)。
  4. 受粉によりエチレン生成量は増加し、切り花の寿命は著しく短縮するが、STS処理により、受粉による老化の促進を抑えることができる(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. エチレン阻害剤を利用したトルコギキョウ切り花の品質保持技術の開発に利用できる。
  2. 受粉による花きの老化機構を解明するための実験系としても有用であると思われる。
  3. 本試験は品種‘あすかの波’を用いて行った。
図表1 227644-1.gif
図表2 227644-2.gif
図表3 227644-3.gif
図表4 227644-4.gif
カテゴリ 受粉 トルコギキョウ 品質保持 品種

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