細胞質遺伝するDNAマーカーによる日本のチャ品種の類型化

タイトル 細胞質遺伝するDNAマーカーによる日本のチャ品種の類型化
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 田中淳一
武田善行
発行年度 2000
要約 〔要約〕チャにおいて、種子親からのみ遺伝するDNAマーカー(細胞質遺伝DNAマーカー)が見出される。細胞質遺伝DNAマーカーによりチャ品種の細胞質の類型化を行うと、日本のチャ品種のほとんどが‘やぶきた’型、または‘あさつゆ’型の細胞質に分類される。
キーワード DNAマーカー、細胞質遺伝、細胞質、類型化、‘やぶきた’型、‘あさつゆ’型野菜・茶業試験場 茶栽培部 暖地茶樹育種研究室
背景・ねらい 真核生物のほとんどの遺伝子は細胞内の核ゲノム中に存在するが、一部の遺伝子は細胞質に存在する。被子植物では一般に細胞質は種子親からのみ遺伝する。細胞質遺伝するDNAマーカーを得て、細胞質DNAを解析することにより、チャ品種の細胞質の遺伝的背景を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. チャの正逆交雑に由来する集団を用いて種子親からのみ遺伝するDNAマーカーが得られる。
  2. 細胞質遺伝DNAマーカーは分子量が大きい傾向にあり、細胞一つあたりのコピー数の多いミトコンドリアまたは葉緑体 DNAが増幅した結果と考察される(表1)。
  3. チャ品種・系統について細胞質遺伝DNAマーカーを調査すると、各細胞質遺伝DNAマーカー間には特定のパターンが存在する(表2)。
  4. 細胞質DNAマーカーを用いてを日本在来のチャに由来するチャ品種を分類すると、ほとんどが‘やぶきた’型と‘あさつゆ’型の2つのタイプに分類され、多様性が乏しい(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 他の作物において、細胞質の多様性の低下が特定病害の激発を引き起した例がある。現在の日本のチャ品種の細胞質は多様性に乏しい。海外からの導入系統等、‘やぶきた’型と‘あさつゆ’型以外の品種・系統を種子親として使用することにより、細胞質の多様化を図ってゆくことが望ましい。
  2. 細胞質遺伝DNAマーカーは親子鑑定の際、種子親の検定に使用することができる。
  3. 細胞質遺伝DNAマーカーは系統分類学的な解析に有効である。
図表1 227683-1.gif
図表2 227683-2.gif
図表3 227683-3.gif
カテゴリ 育種 DNAマーカー 品種

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