フェオホルビドa 生成量に基づく緑茶の健全性評価

タイトル フェオホルビドa 生成量に基づく緑茶の健全性評価
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 氏原ともみ
堀江秀樹
木幡勝則
発行年度 2000
要約 〔要約〕市販緑茶中の既存フェオホルビドa (PBa )含有量及び残存クロロフィラーゼ活性に基づく総PB a 生成量を測定し、両者に基づく緑茶の健全性を評価した結果、市販緑茶は通常の食用茶としての用途ではほとんど問題がない。
キーワード 既存フェオホルビドa (PBa )含有量、総PB a 生成量、健全性を評価、食用茶野菜・茶業試験場 茶利用加工部 品質化学研究室
背景・ねらい フェオホルビドa (PB a )はクロロフィルの分解物の一つで、人に対して光過敏毒性を示すことが知られており、以前、精製の粗悪なクロレラ中に含まれていたPBa が原因で発症して問題となった。PBa は脂溶性で浸出液には溶出してこないことから、緑茶を飲料として用いる場合には問題ないが、近年、食べる茶あるいは食材としての茶の需要が増大しており、PBa 量に基づく食用茶としての緑茶の健全性を評価することが必要とされていた。そこで、市販緑茶中の既存PBa (もともと茶葉中に含まれているPB a )含有量及び残存クロロフィラーゼ(CHLase)活性に基づく総PBa 生成量(CHLaseの作用により新たに生成するPBa 量と既存PBa 含有量との和)を測定し、緑茶の健全性について検討する。
成果の内容・特徴
  1. 市販緑茶中の既存PBa 含有量は10mg/100g以下で、クロレラでの基準値(100mg/100g)より大幅に少ない(表1)。
  2. 市販緑茶中の総PBa 生成量は既存PBa 含有量と比較して急増しており、クロロフィラーゼ活性の残存が明らかである。特に、蒸しの浅い玉露及び抹茶では総PBa 生成量が多い(表1)。また、玉露及び抹茶と煎茶の一部にはクロレラでの基準値(160mg/100g)を越えるものがある。
  3. 総PBa 生成量は茶葉をpH8.0の緩衝液中、37℃でインキュベートして測定するが、緑茶(玉露)を蒸留水中に放置することでも生成量は急増する。生成量は60℃で最も多く(図1)、また、時間が長くなる程多い(図2)。
  4. 市販緑茶中の既存PBa 含有量はわずかであり、食用とした場合にも何ら問題ない。総PBa 生成量は玉露及び抹茶と煎茶の一部でクロレラでの基準値を越えるものがあるが、通常の食用茶としての用途ではクロロフィラーゼが作用できる環境にはなく、従って、ほとんど問題ない。
成果の活用面・留意点
  1. 食用茶としての緑茶の健全性評価指針作成に資する。
  2. 茶葉、特に蒸しの浅い茶葉を温水中に長時間放置等、特殊な用途によっては注意を要する。
図表1 227693-1.gif
図表2 227693-2.gif
図表3 227693-3.gif
カテゴリ 加工 抹茶

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