バイオマス多段階利用の都市近郊農畜産業型モデル

タイトル バイオマス多段階利用の都市近郊農畜産業型モデル
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究所
研究期間 2004~2006
研究担当者 阿部邦夫(和郷園)
横山とも子(千葉県農総研)
下ヶ橋雅樹(東大)
関 建司(大阪ガス)
宮嶋昌一(日東高圧)
金子文宜
佐藤伸明
山岡賢
山本二美
市原 昭(荏原製作所)
若松孝彦(大阪ガスエンジニアリング)
真行寺孝
清水夏樹
石谷栄次(千葉県森林研セ)
草川知行
池田雅司(中国メンテナンス)
中村耕士
中村真人
渡邊晴生(千葉県畜総研)
藤川智紀
迫田章義
望月和博
柚山義人
発行年度 2006
要約  千葉県香取市山田地域を対象とした、バイオマスの生産・収集・変換・利用に至るモデルである。構想作成から、運営組織立ち上げ、諸手続の実施、プラント群の設計・設置、運転・性能の確認、物質・エネルギー収支の解析、採算性の検討、環境への影響調査などにより、多段階利用の有効性が明らかにされ、地方自治体のバイオマスタウン構築のモデルとなる。
キーワード バイオマス・リファイナリー、メタン発酵、液肥、メタン吸蔵、炭化、爆砕
背景・ねらい  地域の中で発生するバイオマスを原料として多種多様な有用物質や燃料を体系的に生産・利用するシステムの構築が求められている。本研究では、千葉県香取市山田地域(旧山田町)を対象に、バイオマスの生産・収集から変換・利用に至る個別技術を適切に組み合わせたバイオマス多段階利用の都市近郊農畜産業型モデルを作成し、その一部を具現化するためにバイオマス変換プラント群(「山田バイオマスプラント」と称する)を試作・設置して実証を行い、モデルの有効性と課題を明らかにする。複数のプロセス間における中間生成物や駆動エネルギーのやりとりによって、化石資源を極力使わずに原料バイオマスを使い切り、有用な物質やエネルギーを製造し利用するバイオマス・リファイナリーの仕組みづくりを目指す。
成果の内容・特徴
  1. 山田地域を想定して作成した地域モデルを基に、山田バイマスプラントの全体システムと各単位装置・設備の設計を行い、これらを試作・設置した(図1)。この際、必要な諸手続を実施し、現行制度の問題点を抽出した。山田バイオマスプラントの規模は、山田地域全体の最大バイオマス発生ポテンシャルの約1/100とした。
  2. バイオマス変換の要素技術として、メタン発酵、メタン吸蔵、メタン車両用燃料化、コジェネ、炭化、消化液のRO膜分離による濃縮、水蒸気爆砕、堆肥化を用い、これらを連動稼動させることができた。これらにより、液肥や工業原料等を製造した。また、物質・エネルギー収支、環境への影響をとりまとめた(表1,図2)。
  3. メタン発酵槽へ原料バイオマス液体分を5t/日投入すると、バイオガス中のメタンの90%以上を回収し、98%以上に精製したメタンガスを約65Nm3/日生成できた。
  4. 精製メタンガスを燃料として使用する車両として、軽トラック、吸着式燃料メタンガスタンクを装備したフォークリフト及び構内作業車を実用化した。
  5. 山田バイオマスプラントで製造される各種液肥、爆砕物、炭化物について、利活用試験を行った。消化液については、ホウレンソウやコマツナ等の良好な栽培結果を得た。また、チャンバ付モノリスライシメータによる動態解明方法を確立した。
成果の活用面・留意点
  1. 研究成果は、地方自治体が地域特性を活かし創意工夫によりバイオマスタウン構築に取組む際の先駆的なモデルになる。
  2. 物質・エネルギー収支は、実験条件毎にまとめ、どういう運転が望ましいかを追求するためのものであり、個々の結果を直ちにプラントの性能と解釈すべきではない。
  3. 再生資源の需要の時期的変動に対応する省力・経済的運転管理法の確立が課題である。
  4. 液肥製造における低コスト化・高付加価値化、養液栽培や資源作物栽培での利用などの用途開発、効率的な輸送・散布方式の開発が望まれる。液肥の利活用には、土壌・作物のモニタリングを通して、環境負荷低減を図る必要がある。
図表1 228134-1.jpg
図表2 228134-2.gif
図表3 228134-3.gif
カテゴリ 環境負荷低減 高付加価値 こまつな 低コスト ほうれんそう モニタリング 輸送 養液栽培

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