植物病原糸状菌のRLGSによるDNA多型検出法

タイトル 植物病原糸状菌のRLGSによるDNA多型検出法
担当機関 四国農業試験場
研究期間 1999~1999
研究担当者 河瀨眞琴
佐藤豊三
笹谷孝英
小金澤碩城
石原次郎
富岡啓介
発行年度 1999
要約  真菌門に属する数種の植物病原糸状菌において,完全合成液体培地での培養菌体から抽出した全DNAのRLGSを行うことにより,再現性のある菌株特異的な2次元スポットプロファイルが得られ,スポットの違いに基づいて効率的にDNA多型が検出できる。
背景・ねらい
生物のゲノムDNAを精密・迅速に解析し得るRLGS(ゲノム・スキャニング法)は既に高等動植物の遺伝学的研究に利用されている。しかし,菌類への適用例はない。そこで,特に植物病原糸状菌にこれを適用し,菌類研究および病害防除研究の進展を図る。
成果の内容・特徴
  1. 0.1%NH4NO3,0.l%KH2PO4,0.1%MgSO4・7H2O,1%
    dextrose(pH4.8)の完全合成液体培地での25℃・暗黒下培養により,真菌門の接合菌に属するRhizopus
    oryzae(リョクトウ腐敗病菌),鞭毛菌に属するPhytophthora
    nicotianae(タバコ疫病菌),担子菌系不完全菌に属するRhizoctonia
    solani(イネ紋枯病菌)および子嚢菌系不完全菌に属するColletotrichum
    acutatumとC.gloeosporioides(リンゴ炭疽病菌)の均一菌糸体が調製できる。
  2. 培養菌体から抽出した80ngの全DNAをNotⅠとEcoR Vで消化,NotⅠ切断端を[α‐32P]dGTPと[α‐32P]dGTPで標識後20~40ngのDNAを80~100V・40時間アガロースゲル電気泳動,Mbo
    Iでin situ消化後100~120V・40時間ポリアクリルアミドゲル電気泳動,次いでゲル乾燥後X線フィルムに4~14日間感光することにより,2次元に展開された約400~1600個以上のスポットからなる菌株特異的なRLGSプロファイルが再現性よく得られ,スポットの違いに基づいて効率的にDNA多型が検出できる(図)。
  3. C. acutatumとC.gloeosporioidesの2菌種間においては,菌種特異的と思われるスポットも検出される(図)。
成果の活用面・留意点
  1. RLGSの菌類における分類,系統分化およびゲノム研究への適用が期待できる。
  2. RLGSスポットに対応するDNA断片のクローニングが可能になっているので,病害防除研究においては,病原糸状菌のレース判定や生態把握のためのマーカーの開発,病原性や薬剤耐性に関連する遺伝子の単離等への利用が期待できる。
  3. RLGSを行うにはラジオアイソトープ施設が必要である。X線フィルムを用いたオートラジオグラフィーは時間がかかるのでイメージングプレートを用いた方法が迅速で良い。
    また,多数のRLGSポロファイルの比較には目視では限界があるので画像解析処理装置の導入が望ましい。

図表1 228820-1.jpg
カテゴリ 病害虫 乾燥 炭疽病 防除 薬剤耐性 りんご

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