インヒビン免疫はウシの生体内卵子吸引成績を向上させる

タイトル インヒビン免疫はウシの生体内卵子吸引成績を向上させる
担当機関 (独)農業技術研究機構 東北農業研究センター
研究期間 1999~2000
研究担当者 伊賀浩輔
永井 卓
下司雅也
志水 学
竹之内直樹
平尾雄二
発行年度 2002
要約 ヒツジインヒビンαサブユニットを用いたホルモン免疫は、ウシで複数の卵胞発育を持続的に誘発させることができる。このホルモン免疫を生体内卵子吸引に適用すると、卵子の採取成績が向上する。
キーワード ホルモン免疫、インヒビン、生体内卵子吸引、ウシ
背景・ねらい 個体識別情報を有する優良体外受精胚の生産のために、生体内卵子の採取効率を向上させることが重要である。
そこで、ヒツジインヒビンαサブユニットを用いたホルモン免疫技術により、複数の卵胞発育を持続的に誘発し、これと生体内卵子吸引技術とを組み合わせ、生体から反復して良質の卵子を採取できる技術開発を目的とする。
成果の内容・特徴 1.
黒毛和種経産牛を供試している。免疫は、発情日に初回免疫を、その28日後に追加免疫を行い、ヒツジインヒビンαサブユニットとして各々0.5mgを皮下に投与する。追加免疫後2~3ヶ月の間、複数の卵胞発育が誘発される。さらに追加免疫を継続することで、免疫効果を持続できる。
2.
生体内卵子吸引は、1発情周期中3日間隔で3~5回の吸引を連続した2~3発情周期の間反復して行っている。実施には、超音波診断装置(SSD-1200, Aloka)に7.5MHzの探触子(UST-M15-2361-1, Aloka)を装着し、吸引ポンプ(KMAR-50000、cook)に17G吸引針(K-OPSD-1760, cook)を接続して、80mmHgの条件で吸引している。
3.
免疫区では、卵胞吸引後の次期卵胞の発育速度は、直径5-9mmの卵胞で早く(P0.01)、卵胞の吸引除去後3日目に総卵胞数と直径10mm以上の卵胞数が増加する傾向が認められる。このことから、免疫は卵胞の発育速度を早めている。(図1)
4.
卵胞数は免疫区と無処置区の間で差はないが、卵子については、免疫区ではAランク(顆粒膜細胞層が緻密で厚い)が多く(P0.05)、Bランク(緻密で薄い)が少なくなる(P0.01)。C、Dランク(それぞれ裸化、拡張)については差は認められない。これらのことから、吸引卵子を用い体外受精による移植胚作出の際、免疫は良質の卵子を採取するための有効な処置であると考えられる。(図2、3)
5.
採取した卵子の核相は、免疫区で核のステージがそろう傾向が認められる。(図4)。
成果の活用面・留意点 1.
使用した薬物はBIOTECH AUSTRALIA PTY. LIMITEDより提供を受けたものである。薬物は市販されていないため、作製依頼が必要となる。
2.
インヒビン免疫は卵胞の発育速度を速めることから、超音波画像上での卵胞の視認性が向上する。そのことから、5MHzの探触子を用いた生体内卵子吸引では、卵子の採取効率を向上させる可能性がある。
図表1 231834-1.gif
図表2 231834-2.gif
図表3 231834-3.gif
図表4 231834-4.gif
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