タイトル | 押倒し抵抗を利用した耐倒伏性大豆品種・系統の簡易選抜法 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 東北農業研究センター |
研究期間 | 1999~2001 |
研究担当者 |
河野雄飛 境哲文 高田吉丈 島田尚典 島田信二 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 大豆の押倒し抵抗と、地上部自重モーメントあるいは主茎長と茎の太さを測定することにより、ころび型倒伏の耐倒伏性の品種・系統を簡易に選抜できる。 |
キーワード | 大豆、ころび型倒伏、耐倒伏性、押倒し抵抗、地上部自重モーメント、主茎長、茎の太さ |
背景・ねらい | 大豆のコンバイン収穫において、地際から傾くころび型倒伏は、収穫ロスや汚粒発生を引き起こす。そのため、耐倒伏性が大幅に向上した品種が求められている。ところが、成熟期の倒伏程度だけによる評価では、栽培年の天候の影響を受けやすく効果的選抜は困難であった。そこで、より確実にころび型倒伏の高度耐倒伏性系統を選抜する方法を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 地上部自重モーメントによる耐倒伏性評価法 1) 地上部自重モーメント<式1>および、押倒し抵抗モーメント<式2>を調査し、両者の比であるモーメント比<式3>を算出することにより、ころび型倒伏の耐倒伏性を検定できる。 <式1> 地上部自重モーメント = 地上部生重 x 重心高(図1) <式2> 押倒し抵抗モーメント = 押倒し抵抗 x 押高さ(図2) <式3> モーメント比 = 地上部自重モーメント/押倒し抵抗モーメント 2) 8月下旬になると個体によっては草姿が乱れて調査が困難になる場合があるので、調査適期は、モーメント比と倒伏程度の相関関係が比較的高い8月上~中旬である(図3)。 3) このモーメント比により選抜した品種・系統は、実際の圃場での倒伏程度と良く一致した(表1)。 2. 非破壊形質による耐倒伏性評価法 測定個体から種子を得る必要がある個体選抜の場合は、地上部切除が必要な地上部自重モーメントと相関が高い「主茎長 x 茎の太さ」(図1および4)を代わりに用いて、非破壊モーメント比<式4>を算出することにより評価が可能である。ただし、この非破壊モーメント比は、主茎基部と先端の太さが大きく異なる無限伸育型品種・系統には適用できない。 <式4> 非破壊モーメント比 = (主茎長 x 茎の太さ)/押倒し抵抗モーメント |
成果の活用面・留意点 | 1. 供試個体は1株1本立で栽培する。 2. 品種・系統間の比較を行う際、出来る限り地力、土壌の硬さが均一な圃場を用いて、同一栽培条件下で測定する。 3. 調査適期は、東北地域における一般的品種の標準的播種期での値であり、他地域や播種期が大きく異なる場合は変動する可能性がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
図表5 | ![]() |
カテゴリ | くこ 栽培条件 大豆 播種 評価法 品種 |