イアコーンは機械収穫でき、そのサイレージは嗜好性と栄養価が高い

タイトル イアコーンは機械収穫でき、そのサイレージは嗜好性と栄養価が高い
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2008~2009
研究担当者 大津英子
大下友子
青木真理
上田靖子
西浦明子
須藤賢司
高橋 俊
滑川拓朗
中西雅昭
高田雅透
岩渕 慶
発行年度 2009
要約 スナッパヘッド装備の自走式フォレージハーベスタは、とうもろこしの雌穂(イアコーン)をホールクロップ並の作業能率で収穫できる。収穫したイアコーンを密封すれば発酵品質がよく、乳牛の嗜好性や栄養価の高いサイレージが調製できる。
キーワード イアコーン、飼料用とうもろこし、サイレージ、発酵品質
背景・ねらい 飼料自給率向上には、自給粗飼料の高品質化を図ると同時に、我が国の畜産において現在1割と低い濃厚飼料自給率を高めることが不可欠である。飼料用とうもろこしの雌穂(イアコーン)は乾物生産性や栄養価が高く、雌穂のみを効率的に収穫し、安定的に貯蔵する技術があれば、濃厚飼料の自給生産の普及に結びつくと期待される。そこで、雌穂収穫専用のスナッパヘッドを装備したコーンクラッシャ付自走式フォレージハーベスタの収穫作業能率を検証するとともに、収穫したイアコーンをサイレージとして調製貯蔵し、その飼料特性を明らかにして、新たな自給濃厚飼料資源の低コスト生産のための情報とする。
成果の内容・特徴
  1. 6条刈りスナッパヘッド(J社製606C)を装備したコーンクラッシャ付の自走式フォレージハーベスタ(J社製7400)と併走ダンプトラック2台で、黄熟後期以降のイアコーンをハーベスタの設定切断長5mm,コーンクラッシャのロール間隙2mmで収穫する場合の作業能率は圃場作業量が2.1ha/hで、圃場におけるイアコーンの損失率は2.4%である(図1、表1)。なお圃場へ還元される茎葉は、乾物重量比でとうもろこし全体の42%である。
  2. 機械収穫したイアコーンサイレージ原料の飼料成分は、乾物率が平均55.8%(51.9~60.2%)、粗タンパク質(CP)含量が平均8.0% (7.7~8.3%)、中性デタージェント繊維(NDF)含量が平均28.7%(26.4~31.5%)、デンプン含量が平均55.4%(52.7~61.9%)であり、圧片とうもろこしよりも繊維含量が高く、デンプン含量が低いものの、調製したイアコーンサイレージの可消化養分総量(TDN)は平均で77.6%乾物と査定され、配合飼料並の栄養価である(表2)。
  3. イアコーンは調製時の切断長や破砕処理の有無等の調製条件に関わりなく、密封貯蔵すると乳酸発酵した良質なサイレージに調製できる(表3)。イアコーンサイレージに対する泌乳牛の嗜好性は圧片とうもろこしと同等以上である(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果はRM75日型の飼料用とうもろこし品種を十勝・道央地域で栽培し、黄熟後期から完熟期に機械で収穫し、試験用スチールサイロに貯蔵して得られた知見である。
図表1 233904-1.png
図表2 233904-2.png
図表3 233904-3.png
図表4 233904-4.png
カテゴリ イアコーンサイレージ 飼料用作物 低コスト とうもろこし 乳牛 品種

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