タイトル |
わが国における体細胞クローン胚の移植成績と生産された子牛の生後経過 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 |
2006~2010 |
研究担当者 |
渡辺伸也
赤木悟史
原口清輝
金田正弘
ソムファイタマス
永井 卓
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発行年度 |
2010 |
要約 |
体細胞クローン胚の移植実績と生産された子牛の生後経過の全国調査を行った結果、わが国の体細胞クローン牛生産における受胎、流産、分娩および子牛の生後経過の状況は、過去10年間(1998~2007年)ほとんど変わっていない。
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キーワード |
牛、体細胞クローン胚、移植成績、生後経過
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背景・ねらい |
わが国における体細胞クローン牛の子牛生産状況は、分娩された頭数をもとにしたデータしか存在しない。本研究では、体細胞クローン胚の移植成績と生産された子牛の生後経過を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 2007年末までに実施された体細胞クローン胚の移植実績と生産された子牛の生後経過について、2009年4月、全国の関係機関へ調査協力を依頼し、提供された胚移植実績:3264件、生産された子牛:301頭のデータを分析した結果を示す。
- 今回の調査で収集できた胚移植実績の内訳は、1998年:253件、1999年:418件、2000年:428件、平成2001年:435件、2002年:403件、2003年:411件、2004年:337件、2005年:324件、2006年:149件および2007年:106件である。
- 農林水産省生産局が公表している体内胚及び体外胚におけるわが国の胚移植成績(受胎率、分娩率)の過去10年間(1998~2007年)と今回の調査結果を同じグラフにプロットすると、体細胞クローン胚を移植した場合の受胎率は体内胚のおよそ1/2、体外胚のおよそ3/5である(図1-(a))。一方、体細胞クローン胚を移植した場合の分娩率は、体内胚のおよそ1/3、体外胚のおよそ1/2である(図1-(b))。これらの成績は過去10年間ほぼ横ばいの状態である。
- わが国の体細胞クローン牛生産における流産の発生率も、過去10年間横ばいの状態が続いている(図2(a))。体細胞クローン胚を移植した場合、流産が随時発生するため、妊娠の安定期は認められない。
- 生産された体細胞クローン牛の生後経過について、分娩頭数を分母にして求めた値をプロットした(図2(b))。その結果、「24時間以上生存」は漸増傾向にあるが、「6カ月以上生存」は漸減傾向である。
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成果の活用面・留意点 |
- 体細胞クローン牛の生産効率の実態を把握し、今後の研究戦略を練るための基礎的な資料としてこの成果情報は有用である。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
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