タイトル |
農業への新規参入における方式別の特徴とポイント |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 |
2006~2011 |
研究担当者 |
山本淳子
島 義史
澤田 守
梅本 雅
迫田登稔
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発行年度 |
2011 |
要約 |
農業への新規参入と経営確立の円滑化には、独立就農、第三者継承、フランチャイズ型就農の3つの参入方式ごとの特徴に合った有形・無形資源の確保や地域対応・対人関係の構築が重要である。
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キーワード |
新規参入、独立就農、第三者継承、フランチャイズ型就農、参入方式
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背景・ねらい |
高齢化や後継者不足が進む中で新たな担い手を育成するためには、農家子弟に加えて農外からの新規参入の促進が重要である。しかし、十分な経営資源を持たない者が農業に参入し、十分な所得を得られるまでに経営を確立するのは容易ではない。また、新規参入の方式(ルート)によっても参入及び経営確立のプロセスは異なることから、関係機関や新規参入希望者に向けて、各参入方式においてとるべき対応を具体的に示すことが求められている。そこで、新規参入者や関係機関による取り組み事例の分析から、各参入方式の特徴を整理するとともに、円滑な新規参入のための対応及び支援のポイントを明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 新規就農には様々なルートがあるが、非農家出身者が就農して農業経営者になる参入方式としては、独立就農(経営資源を独自に確保して創業する)、第三者継承(後継者がいない既存経営を継承する)、フランチャイズ型就農(農業法人に就職した後、その法人の支援を得て創業する)の3つがある(図1)。
- これら3つの参入方式は、有形資源(農地・施設・機械)や無形資源(技術・信用・販路)の獲得方法、経営の裁量・自由度等が異なるため、新規参入者に求められる対応や支援のポイントも異なる(表1、表2)。
- 独立就農では、経営ビジョンに合った有形・無形資源を新規参入者が独自に獲得する必要があるため、地元農業者や関係機関と良好な関係を作り経営資源獲得に向けた支援を得ることや、経営内容に関する自由度が相対的に高いことから適切な経営計画・資金計画の策定等がポイントとなる。独立就農への支援としては、新規参入者の経営確立までを対象に、関係機関が連携して幅広い支援メニューを整備することが重要である。
- 第三者継承では、移譲者から経営に必要な有形・無形資源を一括して継承するため、経営に対する考え方・個性に合ったマッチングや移譲者との信頼関係の構築、有形資源の移譲方法の交渉等がポイントとなる。そのため、これらの点に関わる支援、特に有形資源の継承方法等に関する移譲者と新規参入者の調整等が重要である。
- フランチャイズ型就農では、農業法人の支援により、参入(創業)した後も生産・販売等の面で一定の関係を持ち続けることから、農業法人との信頼関係の維持が重要となる。
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成果の活用面・留意点 |
- 普及指導機関や新規就農相談センター、新規参入者が、就農相談等において参入方式を選択する際や、地域における支援策を検討する際に活用できる。
- 成果の内容は、「新たな農業経営者をめざして-新規参入の3つの方式とポイント-」として取りまとめ配布するとともに、Web上で公開している(http://fmrp.dc.affrc.go.jp/)。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/narc/2011/114c0_10_07.html
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カテゴリ |
経営管理
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