高温登熟性に優れ、良食味で多収の水稲品種候補系統「中国201号」

タイトル 高温登熟性に優れ、良食味で多収の水稲品種候補系統「中国201号」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究期間 2002~2012
研究担当者 石井卓朗
出田 収
中込弘二
松下 景
春原嘉弘
前田英郎
飯田修一
発行年度 2012
要約 水稲「中国201号」は温暖地西部において中晩生熟期の粳系統である。高温登熟性に優れ、良食味・多収である。縞葉枯病に抵抗性で穂いもちにも強い。温暖地西部における主食用品種としての作付けが期待される。
キーワード イネ、高温登熟、中晩生、良食味、多収
背景・ねらい 水稲登熟期間中の高温による影響のため、温暖地西部では中生から晩生にかけての品種を中心に白未熟粒が多発するなど、玄米品質が低下している。特に2010年の高温年においては、基幹品種「ヒノヒカリ」の玄米品質が著しく低下した。このため、温暖地西部での栽培に適した「ヒノヒカリ」熟期の高温登熟性に優れた良質・良食味品種の育成が喫緊の課題となっている。
成果の内容・特徴
  1. 「中国201号」は、縞葉枯病抵抗性を有する良質・良食味品種の育成を目標として、「西海232号(後の「きぬむすめ」)と「中国178号」との交配後代より育成した粳系統である(表1)。
  2. 普通期移植栽培における出穂期および成熟期は、それぞれ「ヒノヒカリ」より1日および2日遅い。温暖地西部では“中生の晩”に属する(表1)。
  3. 「ヒノヒカリ」と比較して、稈長はやや短く、穂長は同程度で、穂数は少ない。草型は“偏穂重型”である(表1)。
  4. 収量性は「ヒノヒカリ」よりも高く、移植栽培では13%、湛水直播栽培では15%多収である(表1)。
  5. 玄米の外観品質は「ヒノヒカリ」より優れ、「にこまる」並である(表1)。高温登熟耐性は“やや強”で、2010年の異常高温年においても玄米品質に著しい低下は認められない(表1、表2)。
  6. 食味は「ヒノヒカリ」「にこまる」並の良食味である(表1)。
  7. いもち病真性抵抗性遺伝子PiaおよびPiiを持つと推定され、圃場抵抗性は葉いもちが“中”、穂いもちが“やや強”である。縞葉枯病には抵抗性で、白葉枯病抵抗性は“やや弱”である。穂発芽性は“やや難”である。耐倒伏性は“やや強”である(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 「ヒノヒカリ」が作付可能な関東以西に適する。
  2. 2013年度は広島県内で数十haの作付けが予定されている。
  3. 耐倒伏性は“やや強”であるが、極端な多肥栽培では倒伏のおそれがあるため、地力にあった適切な肥培管理を行う。
  4. 白葉枯病にやや弱いため、常発地での栽培には注意する。
図表1 236212-1.png
図表2 236212-2.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/warc/2012/112a0_05_05.html
カテゴリ いもち病 直播栽培 縞葉枯病 水稲 抵抗性 抵抗性遺伝子 肥培管理 品種 良食味

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