試料粉砕を省いた小麦原粒灰分の簡易省力測定法

タイトル 試料粉砕を省いた小麦原粒灰分の簡易省力測定法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2010~2011
研究担当者 藤田雅也
松中 仁
八田浩一
久保堅司
発行年度 2012
要約 アルミ箔をカップ状にした使い捨て容器を使用し、試料粉砕を省いて原粒のまま灰分を測定する方法を開発した。本測定法は、従来法と比較して測定終了までの時間はかかるものの、作業時間は約1/5となる簡易省力測定法である。
キーワード コムギ、原粒灰分、簡易省力測定法、試料粉砕
背景・ねらい 小麦品質のランク区分の項目の一つに原粒灰分含量があるが、従来法(農林水産技術会議事務局,1968)では、粉砕した試料をるつぼに入れ、助燃剤を添加して燃焼する方法のため、試料粉砕、るつぼの空焼き、予焼など多点数を測定するには手間がかかる。簡易測定法として、るつぼの代わりにアルミ箔をカップ状にした使い捨て容器を利用する方法が堤(1985)によって提案されているが、さらに試料粉砕を省いて原粒のまま測定可能な簡易省力測定法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 堤(1985)の報告にあるようにアルミ箔をカップ状にした容器を用い、融解を避けるため従来法より低い550℃の温度設定で、12時間燃焼処理することにより完全に灰化することが観察された。その際アルミ箔が酸化により0.15%程度増重するため、その点を考慮して灰分を計算する(表1)。
  2. 試料を粉砕しない場合には水分除去に時間がかかるが、時間経過を追って残水分量を測定した結果、約24時間でほぼ水分0%に達すると考えられる(図1)。
  3. 同一材料40点の灰分測定を行った結果、試料を粉砕しない場合には標準偏差がやや大きくなることもあるものの、平均値は同程度である(表2)。
  4. 粉砕の有無による原粒灰分の相関をみたところ、r=0.92(特に灰分高い2点を除くとr=0.84)と高い相関が認められ、粉砕を省いて原粒のまま、測定可能と考えられる(図2)。
  5. 本法により、試料粉砕(1点約5分)、るつぼの空焼き、助燃剤と予焼(試薬不要、予焼の手間(約1時間)が省略できる)が不要となり、るつぼを使用した従来法(1日40点として、1名で約6時間かかる作業)と比較して、測定終了までの時間はかかるものの1日の作業時間は1時間強(約1/5)となる簡易省力測定法である。
成果の活用面・留意点
  1. さらに天秤とパソコンを接続してexcelで自動計算することで、小麦原粒灰分の簡易省力測定法として有用である。
  2. 選抜系統等の簡易省力測定法として利用可能である。
図表1 236230-1.png
図表2 236230-2.png
図表3 236230-3.png
図表4 236230-4.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/karc/2012/112d0_03_15.html
カテゴリ 簡易測定 小麦

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