飼料用稲麦二毛作体系によるホールクロップサイレージの生産技術

タイトル 飼料用稲麦二毛作体系によるホールクロップサイレージの生産技術
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2010~2013
研究担当者 浦川修司
佐藤節郎
原田久富美
関矢博幸
小荒井晃
中野洋
服部育男
野中和久
星信幸
荒木利幸
横澤将美
都丸友久
佐田竜一
中山幸則
出岡裕哉
川原田直也
川村淳也
山本泰也
柿原孝彦
宮川創
発行年度 2013
要約 水田を活用したダイレクト収穫による飼料用稲麦二毛作体系において、地域に適した品種を用い、乳苗移植栽培や堆肥と液肥を活用した栽培技術、作業競合回避技術等の導入により、年間実乾物収量で1.8t~2.0t/10a以上が確保できる。
キーワード 飼料用イネ、飼料用麦類、飼料用稲麦二毛作、技術マニュアル
背景・ねらい 水田を活用した飼料増産と生産費低減化を図るためには、飼料用イネの裏作に飼料用麦類の導入を検討することが必要である。そのため、地域に適した稲麦二毛作の作型を提示するとともに、迅速な作物の切換え技術や作業競合回避技術等を確立し、年間実乾物収量で二毛作限界地帯である寒冷地では1.6t/10a、温暖地では1.8t/10a以上を確保するための各技術を開発し、ダイレクト収穫体系による飼料用稲麦二毛作技術マニュアルを作成する。
成果の内容・特徴
  1. 飼料用稲麦二毛作体系を導入するには、各地域に適した飼料用イネとダイレクト収穫が可能なオオムギ(排水不良田ではコムギ)の中から、飼料用として多収が得られる品種を組合わせる(表1)。
  2. 南東北地域では、飼料用イネの乳苗育苗の導入によって(図1:左)、育苗期間を10日程度短縮することで作業競合を回避し、実規模の実証試験(2年間)の結果から、年間実乾物収量で1.8t/10a以上を確保することができる(図2)。
  3. 関東二毛作地域おいて、飼料用イネには乳牛曝気尿液肥(図1:中)、飼料用オオムギには家畜(乳牛)堆肥を活用した栽培技術を導入することによって、化学肥料を低減し、現地実証試験(2年間)の結果から、年間実乾物収量で2.0t/10a以上を確保することができる(図2)。
  4. 東海地域において、ムギ立毛間飼料用イネV溝播種技術(図1:右)を導入することで、飼料用イネの播種期が2月下旬から3月上旬(東海地)の農閑期となり、春季の作業競合を回避でき、現地実証試験(2年間)の結果から、1.8t/10a以上の実乾物収量を確保することができる(図2)。
  5. 糊熟期にダイレクト収穫で調製したオオムギおよびコムギWCS(水分70%程度)を主な粗飼料源として、乾物で30%程度混合した発酵TMR(配合飼料や豆腐粕等と混合)の嗜好性は良好で、乳生産や飼養成績に影響はなく、チモシー乾草の代替飼料として利用できる。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:二毛作が可能な地域の農業技術指導者、耕種農家、コントラクター
  2. 普及予定地域:二毛作限界地帯から温暖地の二毛作可能地域
    2013年作付面積(実績)は埼玉県60ha、群馬県30ha、三重県30ha。
  3. その他:本マニュアルでは、各技術を導入した現地事例として、埼玉県、群馬県、三重県、福岡県における飼料用稲麦二毛作の取組事例を紹介している。 本マニュアルは冊子版として2500部配布するとともに、畜産草地研究所HPからもダウンロードできる。
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研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nilgs/2013/13_015.html
カテゴリ 肥料 育苗 大麦 コントラクター 栽培技術 飼料用作物 水田 二毛作 乳牛 播種 品種

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